直列・並列問題ふたたび

このブログは毎週金曜日23時の定期更新を目指しているのだけれど、ここんとこ忙しくてスケジュールがイレギュラーになりがち。そんなわけで今日も時間に遅れたのだけれど、帰宅したらちょうどいい頃合いでバルス祭り(テレビ放送されている『天空の城ラピュタ』を見ながらネットで名台詞をつぶやく祭り)が始まるところだったので、久しぶりに実況体勢に入っていた。放送終了後のBuzztterは画像のような感じ。

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Twitterのサーバーは「バルス!」の声と共に一斉にみんながつぶやいたのだけど、その直前にCMに入った辺りからハッシュタグlaputaのページを表示しっぱなしにしてたら、そこからムスカの「目が~、目が~」までの間で約4200件のツイートがあったと表示されていた。ちなみにVIPの実況は落ちたらしいけど、これはF5で更新する掲示板と、自分のタイムラインだけを眺めていても勝手に更新が表示されるようになったTwitterとの違いもあるので、簡単に比較できないと思う。

このバルス祭りで気になったのは、単に「お前らww」とか思って楽しかったというのもあるのだけど、ちょうどTwitterの画面上部に表示されているつぶやきを促す文言が、「いま何してる?(What are you doing?)」が「いまどうしてる?(What’s happening?)に変わったという話との関連だ。誰かがつぶやいていたけれど、前者は単に個人の状況を聞いているのに対して、後者は自分の周囲の状況をつぶやくという、ジャーナリスト的な役割が求められている。

日本語だとその違いは明確じゃないよね、という話はそうだと思う。でも、実は日本語のウェブサービスのポテンシャルは、誰もがジャーナリストとして、独自の視点から情報を持ち寄る、つまり自律・分散・協調を特徴とする並列接続の集合知ではなくて、みんなで一斉に同じことをやったとき、つまりは直列に接続されたときにもっとも発揮されるんじゃないか、なんてことを思ったのだった。

そのポテンシャルが何に使えるのかは分からないし、それこそサービスのアルゴリズムがその何かを抽出したり創成したりすればいいのかもしれない。ただ、集合知って単にたくさんの人の情報が集まらないと意味がないわけで、そのときに「みんながやってるから自分もやる」という集団主義的な行動がもたらす快楽というのが、多くの情報を発信させる十分な動機になり得ているのは確かだ。

ジャーナリスティックな視点はあっていいし、少数の人がTwitterの発信力を活かして、直接Followerたちに独自取材の「ニュース」を配信することの可能性を、別に否定するつもりはない。ただそれはどこまでいっても「既存メディアのオルタナティブ・チャネル」であり、「正確に情報を伝える」とか「緊急時にいたずらに不安を煽らない」といった報道倫理の問題を含め、これまでマスメディアに課されていたテーマも引き継ぐことになるだろう。

直列接続の集合知は、そうしたメディアの可能性とは、性質を異にするものだ。ともすればサーバーに負荷をかけるだけの祝祭的な振る舞い、理性を欠いた、危険な集団行動だと捉えられていた振る舞いに、積極的な意味を見出せるかどうか、ということが問われているのだ。誰に?おそらく、バルス祭りに快楽を感じてしまった、システムを作る能力を持った誰かに。

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