子どもの合理、大人の不条理

年末年始はゲーム三昧だ!と思っていたのだが、意外とプレイできていない。FFなんか、この週末ようやく三週間ぶりにプレイしたくらいだ。日常的に通勤電車の中でプレイするPSPも、移動がないとあまりやらないし。ラブプラスは正直倦怠期だったのだけれど、なんだか最近妙に好感度が上がっているらしくて、寧々さんにエンドレスちゅーをせがまれ「まいったなあ(によによ)」だったりする。文章にするとほんとにキモイな俺。

で、ようやく「空の軌跡SC」をクリアしたのだけど、これがほんとに面白くて、それに対してどうしてこんなにFF13はつまらないのか、ということをぼーっと考えていた。一本道マップのせいだっていうのは確かだけど、アクションやシューティングだって一本道は多いのだから、それだけが原因じゃない。FFへの昔からの批判で、プレーヤーの自由度が低いっていうのがあったけど、今回は「別に自由度いらない派」の僕でもつまらないので、何か他に原因があるんじゃないのかなと。

空の軌跡シリーズをプレイしていて思うのは、設定や世界観、複線がとても論理的にできていることだ。何かが起こることには理由があるし、複線になりそうなイベントには背後の意図がある。強大な敵の前で突然パワーアップしたりしないし、だからこそパーティーを組んで独りの敵をフルボッコにする理由ができる。

ただしそれは、エステルやヨシュアの目線で物語世界を見たときの話だ。「軌跡」に登場する大人たちは、そんな合理的で、筋が通っていて、複線が回収してもらえる世界には生きていない。カシウスは亡き妻や子どもたちや迎撃士協会や軍の間で板挟みになって身動きがとれないながら、可能な限り子どもたちをサポートしようと複線を張る。ナイアルはジャーナリストとして、ソースとの節度を守った距離を保ちながら「書けること」と「書けないこと」を区別する。その他の登場人物もみな、自分の立場があり、限界があり、それを引き受けた上でエステルとヨシュアをサポートしている。

合理的な世界は、不条理を引き受けた大人たちが、子どもたちのためにお膳立てしてはじめて可能になる。子どもたちはその中で、大人たちが抱えている不条理を理解し、世の中が合理的に正義を通すものになっていないことを知ることで成長する。「軌跡」における迎撃士たちの成長は、強くなることではなく、規則に従って不条理な世界で正義を通す術を知ることなのだ。その意味で、自分の秘密に気づき独断専行するヨシュアも、世界を分かっているつもりの拗ねたガキに過ぎないわけだ。

子ども向けRPGに必要なのは、きっとそうした「合理的な子どもの世界から、不条理な大人の世界へ」という成長譚なのだと思う。しかしながら、ある時期からのRPG(そしていくつかのファンタジー)は、あらかじめ不条理な世界が用意されていて、そこに立ち現れる課題を解き、世界の合理性を取り戻すことを目標にするものが目立つように思える。僕のゲーム情報は偏ってるのでそういうものが好きなのね、と言われればそうなのだけど。

さて、FF13だ。まだ世界の全体像が把握できていないので推論で書くけれど、おそらくこの物語は、世界の不条理の形式としてはFF10のそれに近い。世界を維持するためには一定の犠牲が必要であり、人々はその不条理を宗教的信仰によって受け入れている。FF10の結末はその不条理そのものを否定すること(「永遠のナギ節」の到来)だったけれど、おそらく13でも似たような目標が設定されるのだろう。結末はともかく。

そもそも、FFの世界では2以降、「世界に混乱をもたらす存在」と主人公が非常に近い位置にいるか、同じであるという設定がとても多い。それゆえに「世界の混乱をしずめて平和を取り戻す」といった壮大な目標は設定され得ず、「不条理(不正義)な安定にとどまるか、それを否定して不安定の中に入るか」という選択が示されるわけだ。というわけで13も、まずは自分たちがその「安定を乱す側」に、不条理な形で放り込まれ、選択を迫られることになる。

一本道ルートがこうした世界構成の上で非常にまずいのは、主人公たちは元あった不条理から別の不条理に投げ込まれただけで、その不条理に従って生きるほかないという点は、何も変わっていないからだ。要するに、主人公たちは何も選べておらず、したがって神=悪魔の宿命に従って粛々と行動するほかないのだ。結果的に、たとえ両方の不条理=使命を主人公たちが否定し得たとしても、それはルシたちのミステイクであって、主人公たちのなし得た出来事ではないのではないか。

FF10も、基本的には一本道で旅をする。しかしそこにはティーダという「世界の外の住人」が同行しているため、その旅はあらかじめ、不条理な安定から裏切られているという構図がある。13の場合、それはおそらくヴァニラやファングなのだろうけど、パーティーのコアというよりはフラットな一部であるため、またその外部性が明かされないため、ティーダのような不確定要素になっていないのだ。

「軌跡」のような合理的物語は、子どもにとっては大事だけれど、確かに食い足りない。けれどそこに大人の不条理を持ち込み、さらにそれを破るという構成にするならば、そこで対立になるべきは「不条理の安定に立ち止まる大人」と「それを破らなければ生きていけない人々」であるはずだ。一番ありふれた形は「ふはははは、人間どもは愚かじゃないか」「違う!人間は助け合って生きているんだ!」みたいなやつだけど、もう少し複雑な、ね。ともあれまだ序盤。なんかチュートリアルだけで10数時間かかりそうなFF13だけど、ともかくもう少し進めてみよう。。。

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