それでも正義の味方は勝つ

最近、正義の味方と悪の組織を対比させた議論を目にすることが多くなった。元ネタは例の画像だろうけど、大まじめに組織論として語る記事なんかもあって、これはこれで面白かったりする。僕もそもそもあの持ち上げ方にはちょっと疑問なところもあったので、試みに正義の味方よりで理屈を並べてみる。

組織の体制
言うまでもなく、悪の組織には親玉がいて、彼を頂点とする上意下達の組織系統が存在する。それに対して正義の味方は、ときにケンカしたりすれ違ったりすることがあっても、最終的にはチームとして行動する。メンバーにはそれぞれ役割があり、互いの能力を補完しあいながら戦うのである。

目標
悪の組織の目標は「世界征服」だが、それはトップと一握りの幹部に共有されているにすぎない。下っ端の戦闘員は全体的な目標に限定的にしか関与を許されず、ときに特攻同然の戦いを強いられる。それに対して正義の味方は、「正義のため」という抽象的なミッションを全員が共有している。

インセンティブ
悪の組織において服従を要求される戦闘員や幹部のインセンティブはなんだろうか。おそらくは身分の保障と報酬の分配ということなのだろうが、それゆえに幹部は時にトップを裏切ってクーデターを起こす。こうした権謀術数は、抽象的なミッションの達成そのものを報酬と考える正義の味方にはあり得ない。

成長の指標
さらに正義の味方は、シリーズの途中でパワーアップしたり新しいロボットを手に入れたりする。だがそれらは単体で機能するのではなく、メンバー自身のスキル向上や意識改革がなければ使いこなすことができない。それに対して悪の組織では、「科学者」という特権的なインセンティブを持つメンバーによる、技術主導の新兵器導入が行われるのである。

課題に対して
その新兵器導入にも関わらず敗北を喫した際、悪の組織はその失敗を徹底的に研究するのではなく、またゼロから新兵器を開発し、戦闘に投入するという一本調子な課題解決を試みる。だが正義の味方は一時的に敗北したとしても、チーム内で励ましあい、勝利のためのヒントを探る努力をする。

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こうして見ると、両者の違いは、目先の目標にこだわって硬直的な振る舞いをする大組織と、抽象的な目標を共有して成長のための創意工夫を重ねる小規模チームというところにある。スタート段階では圧倒的な物量の差がある両者なのに、最後には正義の味方の勝利で終わるのは、彼らの方が成長に対して意識的かつ積極的だからだ。

もちろんこんなもの、屁理屈の類でしかないのだけど、ものの見方を変えることは、それが役に立つかどうかであって、よく笑う悪の組織を目指すもよし、意識の高い正義の味方を目指すもよし、ということじゃないか。

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