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	<title>Soul for Sale &#187; 日常</title>
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		<title>孤立を恐れず、孤独を恐れ</title>
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		<pubDate>Fri, 15 May 2009 14:00:41 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[日常]]></category>
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		<description><![CDATA[初めて「お初天神」なる場所で酒を飲んだのは、確か学会で関大に行ったときだからもう6、7年前の話だと思う。今日は仕事の後で大阪に用事があって出てきたのだけれど、せっかくの週末の夜だし、フィールドワーク（笑）というか、土地勘 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>初めて「お初天神」なる場所で酒を飲んだのは、確か学会で関大に行ったときだからもう6、7年前の話だと思う。今日は仕事の後で大阪に用事があって出てきたのだけれど、せっかくの週末の夜だし、フィールドワーク（笑）というか、土地勘育成ゲームのつもりでそん時以来のキタの街を歩いてみた。と書くと簡単そうだけれど、表は飲み屋と締めのラーメン屋、一本道をそれると立ち飲み屋と寿司屋とガールズバーの建ち並ぶ界隈を、一人で食事して酒も飲んで帰ろうと思うと、ほぼ初見の人間にはかなり厳しい。夜のマンハッタンをぶらついたときの微妙な緊張感を思い出しながら、まずは一軒目のお店へ。</p>
<p><img style="border-right: 0px; border-top: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-left: 0px; margin-right: auto; border-bottom: 0px" title="梅田の暮れ" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/05/rimg0005.jpg" border="0" alt="梅田の暮れ" width="470" height="358" /></p>
<p><span id="more-372"></span></p>
<p>いわゆるダイニングバーといった風情の店でカウンターに陣取り、20代の頃そうしていたようにビールを頼む。フロアの席ではどこかの会社の懇親会らしい集団がわいわいと話している。スポーツバーのようにプロジェクターがスクリーンに試合経過を投影する。もちろん阪神戦だ。どうやら地上波の放送らしく、ところどころにローカルなCMが挟まる。フィッシュ＆チップスをつまみつつ、ときどき横目で阪神戦を見やりつつ、聞くともなしにリーマンたちの会話に耳を傾ける。</p>
<p>長いことこんな風に酒を飲んでいなかったので忘れていたのだけど、僕は週末の夜のリーマンの飲み会の声をバックに酒を飲むのが、嫌いじゃないけど不愉快だった。あの頃は意識して平日の夜に店に行くようにしてたんだっけ。彼らの会話ときたら、やれ会社の誰それの態度が悪い、あんなんじゃ出世しないだの、同期の女の子が取引先で自分より先に名刺を渡しただの、思いやりの皮を被った狭隘な価値観を共有できる仲間との同族感覚の確認か、久しぶりに会った友人同士の、あいつは最近誰と付き合ってるとか、あの子はああいう男が好みなんだとか、この話題ならあいつは反応するよねとか、後ろ向きな人間関係を方位磁針ごと前向きにひっくり返したような話題ばかり。でもなぜか今夜は、リーマンたちのそんな宴席トークも許せるような気になっていた。言葉が違うからなのかな。</p>
<p>こうして一人でお酒を飲みながら、一言も口をきかずに済む時間には、ああ、孤立することって心地いいな、と思う。今よりずっと年若い頃、先輩たちに飲み会の世話が上手だと褒められていて、そのおかげで色んな人たちと知り合うことができたのだけれど、それも裏を返せば、「仕事」をしていれば、宴に参加しなくても居場所があったからなのだと気づく。誰かと誰かの知り合いの話は、その誰かを知っている人がすればいい。孤独のうちに部屋の隅で膝を抱えるのは辛いときもあるけれど、孤立することは僕にとってちっとも苦痛じゃなかったのだ。</p>
<p>2杯目のビールを頼んだところで、カウンターの向こうで酒を作ってた兄ちゃんが話しかけてきた。今日は誰かと待ち合わせですか。いや、そういうんじゃないです。こっちに来たばかりなもんで、店とかもわかんないし、と返す。東京ですか、こないだ行ったんですけど、大都会ですよね、と彼が返す。ここで働いてる以上、アンチ東京みたいな気持ちはあるんですけど、こっち帰ってきたらやっぱショボいなーって思いましたよ大阪も、と。</p>
<p>ビールを飲み終えて、次の店に移動しようと席を立つ。またいつでも来てください、と兄ちゃんが笑う。ういっす、じゃまた、と答えて店を出る。帽子を被ってきたのは正解だった、と思う。とりあえず帰るタイミングが見た目に分かるし。話しかけられるのは悪い気はしないけど、東京よりはちょっとタイミング早いかなと思った。それがこの街の距離なのだと思う。繰り返すけど、悪い気はしない。</p>
<p>お初天神の境内をするっと抜けて、2軒目の飲み屋へ。隣の店ではおっさんが深いエコーとビブラートに包まれつつムード歌謡を歌う。ウイスキーをダブルで。これも久しぶりに喉に染みてくる味。誰と話すともなく、ちびちびとグラスを傾けながら、右耳で隣の店のムード歌謡、左耳でBGMのジャズを聴く。「Take Five」が流れてきたあたりで2杯目。他には馴染みらしいお姉ちゃんが一人、マスターと藤沢周平の『蝉しぐれ』について感想を言い合う。これ以上長居すると、会話が始まりそうだと思って席を立つ。馴染みを作るために僕は生きている訳じゃない。</p>
<p>ここんとこ若い連中と酒を飲む機会が増えて、酔っぱらっちゃいけないなと自制することが多かったから、Lifeやポ・ナイトの飲み会ではっちゃけるのが楽しかったり後悔したりって感じだったのだけれど、梅田の駅に向かってある来ながら思ってたことは、ああ、僕はむしろ、こうやって酔えない酒を飲みながら街を歩く夜が、鼻腔の奥に吸い込んだ生ぬるい風で酔いを覚ます時間が大好きだったんだと思い出した。大阪発新宿行きの深夜バスが、出発の時間を待ちかまえていた。遅れかけたサングラスのギャル二人が小走りで駆けていくのを見ながら、僕はいつの間にか僕らの夜が、あの頃より短くなったことに気づいたのだった。</p>
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		<title>見失うほどの平和</title>
		<link>http://blog.szk.cc/2009/04/10/lost-in-peace/</link>
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		<pubDate>Fri, 10 Apr 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[ロスジェネ]]></category>
		<category><![CDATA[思考]]></category>
		<category><![CDATA[日常]]></category>
		<category><![CDATA[郊外]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[新しい大学は、兵庫県の山の上にある、「オサレ」としか形容のしようがない、とても瀟洒な造りのキャンパスが特徴の大学。ロケーションで言うと、ハルヒの舞台となった辺りから、山ひとつ挟んだ反対側くらいだと思えばいい。そんなわけだ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>新しい大学は、兵庫県の山の上にある、「オサレ」としか形容のしようがない、とても瀟洒な造りのキャンパスが特徴の大学。ロケーションで言うと、ハルヒの舞台となった辺りから、山ひとつ挟んだ反対側くらいだと思えばいい。そんなわけだから当然、最寄りの駅から大学まで歩こうとすれば、</p>
<blockquote><p>うすらぼんやりとしているうちに学区内の県立高校へと無難に進学した俺が最初に後悔したのはこの学校がえらい山の上にあることで、春だってのに大汗をかきながら延々と続く坂道を登りつつ手軽なハイキング気分をいやいや満喫している最中であった。これから三年間も毎日こんな山登りを朝っぱらからせにゃならんのかと思うと暗澹たる気分になるのだが、ひょっとしたらギリギリまで寝ていたおかげで自然と早足を強いられているのかもしれず、ならばあと十分でも早起きすればゆっくり歩けるわけだしキツイことでもないかと考えたりするものの、起きる間際の十分の睡眠がどれほど貴重かを思えば、そんなことは不可能で、つまり結局俺は朝の運動を継続しなければならないだろうと革新し暗澹たる気分が倍加した。（谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』）</p></blockquote>
<p>というキョンの思考が完璧にトレースされて僕の頭の中に再現されるのであり、実際、この数週間というもの、引っ越しの荷物の中からサルベージしそこねたおかげで自宅からカートを引いて持ち込まざるを得なくなった大量の文献を抱えて坂道を上り、90段近くある階段の頂上にたどり着く頃には完全に息が上がっており、しかしそれでもまだ大学までの道半ばであることに本当に暗澹としながらまたカートを引く、の繰り返しだったわけだ。</p>
<p><span id="more-301"></span></p>
<p>ちなみに、その上り坂は仕事を終えて帰る夕暮れの時間には、当たり前のことだが下り坂になるのであり、地獄のような階段も、見渡せば眼下に（絶景とは言えないまでも）それなりに綺麗な夜景を眺めることができるわけだが、いま僕がしたいのはそっちの話じゃない。</p>
<p>階段を上り終えてひとつ角を曲がると、そこから大学までは一直線の緩い上り坂で、日本を代表する樹木のひとつであろうソメイヨシノが両脇をがっちり固める通りに出る。</p>
<p><img style="border-right: 0px; border-top: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-left: 0px; margin-right: auto; border-bottom: 0px" title="090410-01" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/04/090410011.jpg" border="0" alt="090410-01" width="470" height="358" /></p>
<p>入学式～講義が始まる今週辺りがちょうど桜は満開の見頃で、地元の住民の皆様は、車が来ない時を見計らっては、車道に出て写真撮影。ほとんどの人が大型犬の散歩中であり、持っているカメラがデジイチである辺り、この土地の階層性を感じないこともない。ちなみに坂の途中で「あんぱんっ……！」と呟いて立ち止まっている美少女は、目を皿のようにして探したけれどまだ見つかっていない。</p>
<p><img style="border-right: 0px; border-top: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-left: 0px; margin-right: auto; border-bottom: 0px" title="090410-02" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/04/090410021.jpg" border="0" alt="090410-02" width="470" height="358" /></p>
<p>とはいえ坂の途中には、何の変哲もないバス停なのに、どこかで新海誠さんがロケハンしてたりするんじゃないかと辺りを見回したくなるような、あるいは佐原ミズの『バス走る』に出てきたバス停ってこんなだったんだろうかと思わせる、しかしやっぱり何の変哲もないバス停があったり、これはどこに立ち絵をかぶせればいいんですか的なロケーションが満載だ。美少女ゲームの舞台が往々にして、そこそこ裕福な中流家庭の住む郊外であることは、主人公たちのモラトリアム性と合わせて重要な条件だと考えていたのだけれど、それはここにあったのだなんてことを思わなくもない。</p>
<p><img style="border-right: 0px; border-top: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-left: 0px; margin-right: auto; border-bottom: 0px" title="090410-03" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/04/090410031.jpg" border="0" alt="090410-03" width="470" height="358" /></p>
<p>坂を登り切ると、青空に映える白い壁と赤い屋根が美しいキャンパスがお出迎え。スパニッシュ・ミッション・スタイルとか言うらしいこの建築は、初めて見たときは何このディズニーランド、と思ったのだけど、実は建学の頃から100年近くこのスタイルらしく、実際にキャンパス内の建物も、ものによっては築40年以上になる。時計塔を眺める中央芝生は地域の住民に開放されいて、子どもの遊ぶ声が絶えることはない。</p>
<p>とにかく、平和なのだ。</p>
<p>思わず、自分はどこにいるのだろうという気にさせられる。サークルの勧誘合戦が始まっている。眉間にしわが寄る。山の上の地方私立大学は、流動性の高い都市部とは違って、同年代の日本人ばかりが集まっていて、大人になるのが少しだけ遅れても怖いことなんかない。学生たちの一体感の強さやロイヤリティの高さは、平和という名の繭が彼らを優しく覆っていることから生まれているのだと思う。彼らは世界の悲惨も、苦しむ若者の現実も、すべてこの繭のフィルターを通して知ることになるだろう。</p>
<p>それがいけないことだとは思わない。僕らはテレビを通じてしか飢える子どもを知り得ないし、知らなければそれはなかったことにされるだけなのだから。僕の中のロスジェネ根性は、まぶしすぎる彼らの青春を正視するのを躊躇わせるのだけど、そこで背を向けるのは正直かっこ悪い。いや、かっこいいと言う人もいるだろう。でも彼らだって別種の傷をなめ合う内集団を構築するために、外集団としての「奴ら」の現実から目を背けてレイベリングしているに過ぎないのであって、そこに正義や倫理を持ち込んでも詮無い。ある出来事の当事者であることは、別の出来事の当事者になれないということを決して免罪しない。それができると思ったところに、日本の学生運動の崩壊の一因があったのだと、僕は思っている。</p>
<p>戦争が待望されていたのではなく、平和が憎かったのだ、と思う。この場所にいると、それをとてもよく感じる。あそこには戦争がある、けれどここには彼女との平和がある、という対比こそがセカイ系を支える想像力だったとすれば、文字通りここにはセカイ系の平和がある。そしてその中にいればこそ、「本当は既に戦争なのだ、お前らはぬるま湯の中の甘ちゃんなのだ、いっそこの平和をぶちこわしてやる！」と叫んでも、この平和は絶対に崩せないだろうと思う。震災という熾烈な非日常から立ち上がり、安楽の日常を取り戻した人たちが多く住む土地だけに、その感覚は特に強い。</p>
<p>平和の中で自分を見失うのは容易い。平和を憎む人と共に罵詈雑言を投げかけるのは、もっと容易い。一番困難なのは、平和の中でひとり見えない銃を撃ちまくることだ。下り坂になった帰り道、桜の花びらが舞い散るのを見ながら、東京の桜は、たくさんの人に地面が踏み固められたせいで、花ごと落ちる弱い桜の樹が多くなっていると聞いたのを思いだした。学生たちの歩みは、きっとこの土地の桜を弱らせるには少しだけ臆病に過ぎるのかもしれないな、と思った。</p>
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		<title>所属変更のお知らせ</title>
		<link>http://blog.szk.cc/2009/04/01/announcement-of-job-change/</link>
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		<pubDate>Wed, 01 Apr 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[思考]]></category>
		<category><![CDATA[日常]]></category>

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		<description><![CDATA[2009年4月より、所属を関西学院大学に移しました。ひきつづきGLOCOMでの仕事もする予定ではいますが、ひとまずは5年近くお世話になった組織と、14年住んだ東京を離れ、新たな地での一歩を踏み出すこととなります。 お仕事 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>2009年4月より、所属を関西学院大学に移しました。ひきつづきGLOCOMでの仕事もする予定ではいますが、ひとまずは5年近くお世話になった組織と、14年住んだ東京を離れ、新たな地での一歩を踏み出すこととなります。</p>
<p>お仕事上のおつきあいのある方々にはあらためてご挨拶させていただきますが、さしあたりこのエントリでは、就職にあたって考えたことなどを。<span id="more-271"></span></p>
<p>00年代の「院生ゲーム」で駒を進めるにあたってのアドバイスを、と言われたら、以下のような感じだろうか。</p>
<ul>
<li>「研究課題の追求」と「生活の安定」と「院生・教授との人間関係」は、同時に全てを達成することのできない目標です。どれかひとつは早々に諦めてください（ただしふたつは頑張って達成しましょう）。</li>
<li>書籍代も書籍を置く場所も学会参加費も出張旅費も取材費も、全て個人で賄いながら研究するのが院生です。この時点で院生は、職を持っている研究者に対して年間100万円以上のハンデを負っています。また、実家住まいの院生とそうでない院生では、計算の仕方にもよりますが、年間数十万円は使えるお金に差が付くはずです。ですが、貧乏に耐えてこつこつと研究しても、なんの自慢にもなりません。研究に対する機会の不平等とは無関係に、研究成果は「平等」に評価されるからです。
</li>
<li>というわけで、お金になりそうなことはなんでもやりましょう。塾や予備校の講師は、それが楽しいならば別ですが、拘束時間で考えると研究には向きません。理想はCOEの研究員やRA、シンクタンクの研究員など、研究活動にも役立てる職場です。個人研究費が支給されない職場でも、プリンタで大量の資料が印刷できるだけで相当のメリットになるはずです。</li>
<li>こういうご時世ですから、あなたの研究するテーマや能力によっては、早いうちから出版や取材の話が来るかもしれません。受けるかどうかは自由ですが、「そんなことをしていないで研究しなさい」という指導教員の言葉は無視して構いません。その人は知的には誠実かもしれませんが、それに従ったからといって、あなたの就職先を世話してくれるわけではありません。</li>
<li>あなたの名前が売れてくると、「君くらい優秀な人、すぐに就職が決まりそうなのにね」などと言ってくる院生仲間や先輩に出くわします。心の健康のために、「俺なんかとっとと院を出て行けってことか」などとひねくれず、言葉通りに受け取っておきましょう。</li>
<li>あるいは、そういう「売れている」仲間を見ながら、「なんであんな適当な奴らが評価されて、自分はこんなに苦労しないといけないんだ」と思うかもしません。確かに不当に評価される人はいます。ですがあなたが就職できないのは、彼らが売れているからではなく、あなたが評価されていないからです。</li>
</ul>
<p>上記はもちろん皮肉なので、本気で受け取らないように。きちんと科研費を取ってきて、院生のために実績になる仕事を世話してくれたり、非常勤の仕事を振りたいと思っている先生方はたくさんいます。挨拶ができる、言われた仕事をきちんとやる、チーム作業を円滑にこなせる、そういった当たり前のことができれば、真面目な生き方が報われないことなどないはずです、たぶん。</p>
<p>けど、分野によってはそういう仕事もしにくいし、研究者なんて本質的には「自分以外はみんなバカ」と思ってる人の集まりなので、仲良くなんてできない！という場合もあるでしょう。そういうときは、とにかく院生以外の友だちや先輩をたくさん作っておくことが大事だと思います。あなたが「こうでないと生きていけない」と思っている世界は、あなたが思っている以上に特殊で変な世界です。派遣制度の問題はあるでしょうが、修士のうちに、バイトや派遣でもいいから会社勤めを経験しておくのは、とてもいいことだと思います。</p>
<p>あと、最近色んな人に言われて困ったので書いておくと、大学の外で本ばかり書いていて職が得られるほど、大学の公募人事はラディカルに変化してはいません。僕はもともと実体のあるプロダクトを作ることが大好きだし、実務経験を生かせば、情報系・コンテンツ系の新設学部には、人手が足りないところもたくさんあるので、そういうところの公募なら事情も違ったのでかもしれない。けど、どんなにクリエイティブ系の学生たちがかわいくても、僕はやっぱり社会学を教えたかったので、それなりに履歴書に書けることを増やす努力はしました。</p>
<p>人間関係で言えば、自分のことを評価してくれている先生には「最終的には自分は研究者として活動をしたいのだ」ということはきちんとアピールし、可能ならば共同研究プロジェクトや科研のお手伝いなどに入れてもらいましょう。分かってくれる人は、必ずいます。あと、大学院を出ると一番困るのは図書館です。大学図書館が使える条件を確認したり、充実した大学図書館と連携している近所の公立図書館の情報を調べておきましょう。</p>
<p>論文執筆や学会報告は当たり前のタスクですが、毎年同じ報告をしていると、知り合える先生の幅も、紹介してもらえる非常勤の口も減るので、できれば学会については、毎年部会が移れるようなテーマ設定を心がけましょう。複数の学会に所属するのもいいですが、学会によっては、丁稚奉公してくれる若手を求めているところもあるので、どのくらいコミットするべきかは、あらかじめ決めておきましょう。</p>
<p>　</p>
<p>2001年に博士課程に進学して、ほぼ同時期に物書きとしての仕事を始めた僕のキャリアコースは、実際、かなり特殊なケースだ、と自分でも思う。でもそれを見て、手っ取り早く自己主張と生活の安定の両方を手に入れたいと考える文系の院生が出てくれば、どんな先生だって「あいつらのせいで最近の学生は悪い方向に向かっている」くらいのことは思うだろう。僕だって危ないから真似するのはおよしなさい、って普通に言う（だから繰り返すけど上記の話は皮肉なのだ）。</p>
<p>けど、その特殊コースのせいで知ることができたものもある。それは、現代の日本社会が、知的な、特に社会批評や社会理論などの、ときに「実がない」と批判される知見を、切実に必要としているということだ。ビジネスモデルが成熟し、特に消費者向け分野では多様なニーズの掘り起こしが求められる現在、多くの人がイメージする「実のあること」だけで商売が成り立つわけではない。企業の中でも頭の切れる人ほど、アカデミックな智恵（知識＝Knowledgeに限らない）をビジネスに活かせる能力を持っているのに、アカデミシャンは、端から「あんなもの、上っ面と金の世界の結託」と決めつけてかかっている。</p>
<p>結果として生じるのは、「知的誠実さを守る」という正論の陰に隠れる、排除的なセクショナリズムだろう。タコツボに籠もって非社会的でいなければ誠実でいられないような不器用さは、ときに尊敬に値するけれど、ことさら自慢するようなことではない。この数年、アカデミックな背景を持ちながら、物書きとして長いこと活動をしている方と知己を得る機会がけっこうあったのだけれど、そういう人たちは得てして、経済的・人間関係的な理由で、アカデミズムを追われた、といった経歴を持っている。彼らは開き直っているのではなく、むしろそうした閉鎖的なアカデミズムがハビトゥスとして再生産されていることに、心底うんざりしているのだと思う。</p>
<p>僕は幸運なことに、研究仲間（ときに酒代を貸してくれたりもした）にはとても恵まれたし、若手潰しみたいなものもまったく経験しなかったけれど、とても能力があったのに、途中リタイアを余儀なくされた「真面目」な友だちは、何人もいた。理由は様々だけれど、「一度出たら二度と入れない」「ボスへの忠誠を誓わされる」「ローカルルールの内面化を強要される」という昭和の企業みたいな理念を「当たり前」として受け止めている人は、まあそれなりにいるわけだ。「理念型としての昭和」が、就職がないからこそ、むしろ若い人によって再生産されるという構図は、企業でも大学でも同じだ。</p>
<p>そういった理念は、特殊な人間関係を生きていく上では覚えておくべきだけど、自分のやっていることを結果で判断されたいと思うなら、きちんとその原資がどこから出ているかを自覚しておくべきだ。研究所では、それはプロジェクトの契約を結んだクライアントから出ているし、大学なら学生の保護者、調査研究なら税金や財団の運用資金であって、偉い先生があなたに施しをしているわけじゃない。「自分は正しいことをしているはずだ」と愚痴って溜飲を下げたら、とっとと自分の仕事に戻った方がいいんじゃないか。オレモナー。</p>
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