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	<title>Soul for Sale &#187; 都市</title>
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		<title>ライフスタイルセンターの未来</title>
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		<pubDate>Fri, 13 Aug 2010 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[消費社会]]></category>
		<category><![CDATA[経営]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[「ライフスタイルセンター」というコンセプトが日本で注目を集め始めたのは、せいぜいがこの4、5年のことだと思う。というか今でもショッピングセンター（SC）界隈の一部を除けば、あまり知られている概念ではないけど。 伝統的にS [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>「ライフスタイルセンター」というコンセプトが日本で注目を集め始めたのは、せいぜいがこの4、5年のことだと思う。というか今でもショッピングセンター（SC）界隈の一部を除けば、あまり知られている概念ではないけど。</p>
<p>伝統的にSCでは、NSC、CSC、RSCといった商圏や敷地面積などの規模に基づく区分が用いられてきたのだが、流通システムやニーズの多様化を受けるかたちで、「安いものを大量に買いだめする」ためのSCや、エンターテイメントを充実させたSCなど、それぞれの特徴に基づく（ある意味で雑多な）ネーミングが行われるようになっている。その中でも特に言及されることが多いのがライフスタイルセンターなのだ。</p>
<p><span id="more-940"></span></p>
<p>ライフスタイルセンターとは、簡単に言えばコミュニティ機能を包含したSCのことだ。ちなみにこの言葉は、日米でそうとうニュアンスの違うもので、アメリカでライフスタイルセンターと言えば、富裕層向けのゲーテッド・コミュニティからSC機能が独立したもののようなのだけれど、日本ではむしろ、地域社会に溶け込んだSCという打ち出しをされている。90年代から地域興しイベントを積極的に行い、この分野の草分けになったサンストリート亀戸（東京都江東区）や、06年にリニューアルしたつかしん（兵庫県尼崎市）なんかが事例として挙げられるあたりに、その差異は顕著だ。</p>
<p>しかしそもそも、コミュニティに溶け込むとはどういうことなのか。そのことを実感するために行き先として選んだのは、今年の僕のゼミでも話題になり、6年連続で黒字という、百貨店業界では衝撃的な利益を上げていると話題のダイシン百貨店（東京都大田区）だ。</p>
<p><img src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2010/08/R0010458_thumb.jpg" border="0" alt="20100813-01" title="20100813-01" width="469" height="357" style="border-right-width: 0px; display: block; float: none; border-top-width: 0px; border-bottom-width: 0px; margin-left: auto; border-left-width: 0px; margin-right: auto" /></p>
<p>噂には聞いていたが、不思議な百貨店だ。百貨店とはいうものの、本館を残してリニューアル中の現在では、1階のスーパーを軸として、家電品や日用雑貨なども売られている小振りなCSCと言った方がいい。常連客の多くが高齢者であり、店内に流れる速度は、若者の感覚からすればずいぶんゆっくりとしている。従業員のお客の間のコミュニケーションも、決して活発というわけではないけれど、それは単にある程度見知った仲だからで、必要なことは必要なときにすぐ聞ける関係が築かれていることは、一見して分かった。</p>
<p>しかしそれよりも驚くのは、「わかりやすさ」のようなものとはまったく無縁な店内設計だ。なにしろ大森駅側の入り口から入って、2階へ上がるエスカレーターを探すために、店内を一周して、外に出て、さらに戻ってこなければならなかった（実際は入ってすぐのところにあったのだけど）。ちなみに1基だけあるエレベーターはバックヤードと隣接していて、知っている人でなければまず見つけられない。</p>
<p>2階より上のフロアも似たようなものだ。そもそもどこに何が売られているかという配置に、論理性が見いだせない。カーペットの隣が文房具？鍋の隣に化粧品？挙げ句の果てに、医薬品コーナーの脇には、薬局の前で昔見かけたような、100円入れて遊ぶ遊具。まるでカオスだ。</p>
<p><img src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2010/08/R0010452.jpg" border="0" alt="20100813-02" title="20100813-02" width="470" height="357" style="border-right-width: 0px; display: block; float: none; border-top-width: 0px; border-bottom-width: 0px; margin-left: auto; border-left-width: 0px; margin-right: auto" /></p>
<p>それなのに、ここを訪れる人たちは、その配置に戸惑っている風がない。常連客なのだから当たり前なのだけれど、逆を言えば、この配置は既にこれで完成されていて、頭のいいプランナーなんかがきちんと論理的な配置を提案したところで、既存のお客の間に混乱をもたらすだけなのだろう。コミュニティに埋め込まれるとは、そこにある文脈を、店内を通る見えないけもの道を犯さないということなのだ。</p>
<p>サンストリート亀戸の開発に携わった大西直良は、SCの開発においてもっとも重要なのは、コンセプトであるという。そのコンセプトとは、プランナーが企画書に書いてくる、人に優しいだの地域密着だのといった美麗字句のことではない。具体的にどんな人たちと、どんな関係を築いていくのかということだ。それを提案し、実行しようとすれば、既存の文脈への理解、そこにどのように関わるかといったビジョン、従業員に対する教育など、トータルな取り組みが必要になるのだろうと僕は思う。</p>
<p>ダイシン百貨店がどこまで、そうしたことを意識してリニューアルしようとしているのか、いまのところはよく分からない。正直、意識していたとしても、既に既存の文脈が強すぎて、流れに任せるしかないところにきているんじゃないかという印象を持った。それは、東京の工場集積地として始まった大田区という土地の「年齢」が可能にしたものなのだろうし、だからこそ、このまま行くしかないというところはある。むろん、ポイントカードのポイントを地域の他の店と共通化するなどの先進的な取り組みの今後はとても気になるところだけれど。</p>
<p>おそらく日本におけるライフスタイルセンターは、成功事例の積み重ねよりも、そこに賭された「理想」がどのようなものなのか、それが「現場」とどのようにズレていくのか、そのことを測るためのメルクマールとして扱うべき概念なのだろう。特に商業の分野ではこうした謎の概念が横行しがちだけれど、実際に、そのぼんやりとした理想が生む勘違いを扱うことにこそ、現場に入る魅力があるのだろうし。</p>
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		<title>裏切り者はだれだ</title>
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		<pubDate>Tue, 25 May 2010 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[思考]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[昨日の小沢健二ライブ＠中野サンプラザの衝撃が強すぎて、日が変わってもぼーっとしていた。いろいろと考えながら聞いていたのだけれど、あの日の歌が岡崎京子へも届けられていたのだと聞いてしまえば、もうそれ以上何も言うことはできな [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>昨日の小沢健二ライブ＠中野サンプラザの衝撃が強すぎて、日が変わってもぼーっとしていた。いろいろと考えながら聞いていたのだけれど、あの日の歌が岡崎京子へも届けられていたのだと聞いてしまえば、もうそれ以上何も言うことはできない。ただそれとは別に、ライブ中にしていた話――まだツアー中だし、強く文脈づけられた発言だったのでここでは紹介しないけど――が面白かったので、ちょっと触発されて考えてみる。</p>
<p><span id="more-855"></span></p>
<p>世の中には、格差というものが存在している。それが仕方のないことなのか、許されないことなのか、意見は分かれるけれど、間違いなく格差はある。その根っこには、差別があったりもする。人種問題なんかはその典型だ。かつての差別的な制度が尾を引いていて、スタートラインから差が生まれているから、結局のところ格差が再生産されてしまうのだ。</p>
<p>ただ、スタートラインの格差というのはすごく見えにくい。見えにくいから、スタートラインから恵まれた人たちは、格差があるんだ、というと、そうなのかなあと思って、そいつの努力が足りなかったんじゃねーの、なんて言ったりする。それを聞いた恵まれない人は、金持ちは自分たちが恵まれていることを理解せずに、まるで俺たちが悪いかのように思ってやがる、と腹を立てる。</p>
<p>でもこの問題を考えるときに、ひとつややこしい話がある。それは、格差をものともせずに成功した人の存在だ。人種問題で言えば、成功した有色人種、ということになるのだろうけど、もちろんそれと裏表のような関係で、貧困にあえぐ白人というのも出てくる。貧困状態にある白人は、格差解消のためということで有色人種が優遇されているのはおかしい、と感じ、差別に起因する格差なんてもうないんだ、なんて言い出す。</p>
<p>ここで一番困るのは、成功した有色人種だ。彼らは、自分たちが人一倍努力したと思っていても、その努力を強いられた環境が、自分たちの責任で生まれたものじゃないことも、よく分かっている。だけれども、そのことを主張すると、貧困にあえぐ白人から、差別是正措置のおかげで得をしやがって、と恨まれる。一方で、自分のしてきた努力を強調すれば、差別是正措置はいらないという話になって、有色人種のコミュニティから裏切り者扱いされてしまう。</p>
<p>しかも、こうした裏切り行為は、いろんなレベルで見つけられてしまう。社会的に成功したシングルマザーの白人女性は、女性に期待される育児の責任を人一倍引き受けざるを得ないにもかかわらず、有色人種の女性からは、あなたは白人だから、と言われてしまうかもしれない。</p>
<p>自分が裏切り者でないことを、どうやって主張するか。そのためには、自分の中にある、不利なスタートラインの属性を、自分のルーツとして強調するしかない。有色人種の大統領は、成功者としてではなく、有色人種としてのアイデンティティを、自分のルーツとして積極的に提示する。シングルマザーの起業家は、自分が母親であることを過度に強調する。自分くらいの才能があれば、育児と仕事の両立なんて余裕よ、などとは決して言わない。</p>
<p>かくして、差別と格差の問題は、なぜかいつの間にかコミュニティとアイデンティティの問題になってしまう。</p>
<p>ところで、アイデンティティとコミュニティの問題が、なぜか格差と差別の問題になってしまうケースがある。日本国内でのローカル・アイデンティティなんかがその例だ。昔「出羽の守」って言い方があった。なにかにつけ「外国では」とか言い出す人のことだけど、いまではそれに加えて「東京では」「都会では」とか言う人も、同じくらい嫌われていると思う。どうやらそういう言い方をすると、そのほかの地域に住んでいる人を見下していることになるらしい。</p>
<p>地元の現実を分かっているからこそ、そうでない現実を生きる人の言葉が、自己責任を押しつける成功者たちの声のように響く、という気持ちが分からないわけじゃない。どうせお前たちには俺のことなんて分からないだろう、とか、あやまれ！俺たちにあやまれ！って言えば、あちら側の現実とこちら側の現実の間に、格差や差別という問題を持ち込むことができる。けど、それは、同時にあちら側の人に加害者、こちら側の人に被害者という役割を割り振ってしまう。</p>
<p>それを聞いた都会の人は、なんかあるとすぐ文句ばっかり言いやがって。地方の人のコンプレックスってまじうざいよねーとか思っていたりする。そんなにイヤなら地元を離れればいいじゃん、なんてことを言ったりする。</p>
<p>ここでも困るのは、東京でないところから出てきて、東京で成功したけれど、東京の人ではない人だ。彼らは、地元ではない場所で孤立する辛さも、カネにさえなれば笑顔ですり寄ってくる連中の下世話さも、よく分かっている。でも、東京の人なんて冷たいよね、というには受け入れられすぎているし、田舎者は困るよね、なんて言おうものなら、お前がな、って話になってしまう。</p>
<p>そんなわけで彼らは、成功者としての地位を維持しながら、同時に自分のルーツを積極的にアピールするという戦略を採らざるを得なくなる。芸能人なんかでよくあるパターン。政治家も含めて、人気商売を目指すなら絶対に外せないやり方だ、と思う。</p>
<p>そして、そんな人気取りの立ち位置ゲームが繰り返されているうちに、ほんとうに解消するべき格差や差別は何なのかが、分からなくなってしまう。</p>
<p>誰もが、裏切り者になるのを恐れている。上から目線って言われるのが怖くて、ひたすら頭を下げようとする。額をひたすら地面にこすりつけているうちに、自分のことすら見えなくなってしまう。自分を見下していると思っているあいつが、自分と同じ被害者感情を抱えて傷ついているという想像力を失っていく。とにかく頭を下げながら、僕らは他の人々とのつながりを失っていく。</p>
<p>歌い、踊るしかないのかもしれないと思う。真実よりも、善いことよりも、僕らは美しいものを重んじる。美しいものに心を動かされることで、下げていた頭が上がる。他人が見えるようになる。そこでようやく、真実や善について話をすることができる。君が詩を書く。彼女が唄を歌う。それに合わせて僕が踊る。怒りの声が、笑い声に変わる。全員が裏切り者なのだとしたら、結局は裏切り者なんていなかったんだね、と、誰もが気づいて、また笑うのだ。</p>
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		<title>リアル空間への回帰</title>
		<link>http://blog.szk.cc/2009/12/22/back-to-the-real-world/</link>
		<comments>http://blog.szk.cc/2009/12/22/back-to-the-real-world/#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 22 Dec 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[思考]]></category>
		<category><![CDATA[消費社会]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[先週はFinali Fantasy XIIIのファーストインプレッションレビューをなんとか更新に間に合わせようとがんばったのだが、よくよく考えたらそんなにやりこむ時間などあるわけがなく、まだ4時間くらいしかプレイできてい [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>先週はFinali Fantasy XIIIのファーストインプレッションレビューをなんとか更新に間に合わせようとがんばったのだが、よくよく考えたらそんなにやりこむ時間などあるわけがなく、まだ4時間くらいしかプレイできていない。今年初めて見た、若手芸人に偉い師匠さんが公開だめ出しをして順位をつけるとかいう番組も、特に何か書くべきことがあるわけではない。悩んでいるうちにずいぶんたってしまったので、とりあえず来年の予想というか、次につながる現状分析でもしてお茶を濁そうかと思う。</p>
<p><span id="more-698"></span></p>
<p>個人的に興味のあることは？と聞かれると、最近は「リアル空間」と答えることにしている。もちろん、相手が僕に「ネットに詳しい人」みたいな役割を期待している場であってもだ。ショッピングモール調査なんかもその中に入っているけど、それがすべてということではない。大きく言えば「ネット以後に現実空間に関わることは、個人にとってどのような体験なのか」ということを考えているのだ。</p>
<p>00年代は、ADSLに始まりケータイのネット接続や公衆無線LANなど、安価で手軽なネット接続のインフラが普及し、キャズムを超えていった時代だった。それと同時に、その政治的な影響力や可能性、基礎的なコミュニケーションツールとしての利用法などに注目が集まった。そうしたネットの「願望」と「実態」の乖離については常に議論があるし、懐疑論も根強い。他方で、今年日本（の一部）で話題になったTwitterのように、新しい動向が生まれては「これこそ時代を変えるもの」という期待が寄せられるという「お約束」もばっちり健在だ。</p>
<p>そのことについて、批判も含めあーだこーだ言ってると永遠に仕事はつきないわけで、特にしょーもない批判に寄生して状況の延命に一役買ってくれている人たちに対しては頭が下がる思いだ。死ぬまでやってればいいと思う。ただ学生の卒論や研究発表なんかを見ていても思うのだけど、よほど丁寧にやらない限りネット上のミクロなコミュニケーション分析だけでは斬新な視点は出てこないし、詳細に分析しようにも、ネットサービスが商業的に洗練されてきたこと、また技術的にも専門分化が進んだことから、一般論としてネットを語ることがますます困難になっているように思える。</p>
<p>だがネットに関する議論が「素人では手が出せない」ものになっていく一方で、リアル空間を巡る様々な動向は注目に値するものが多い。特に来年以降追いかけておきたいのは、人々がリアル空間をどのように編成し、生活するかということを巡るいくつかの動きだ。そこにはおおむね、3つのベクトルがあるのではないか、というのが僕の現状認識だ。</p>
<p>ひとつ目は、Nintendo DSの「すれ違い通信」を活かしたゆるかやなコミュニケーションや、大和総研が「位置ゲー」と名付けた、GPS機能と連動したゲームなど、「リアル空間の意味を、情報によって上書きする」ことで、現実への関わり方を変えようという試みだ。たとえば「ドラゴンクエストIX」の場合、秋葉原のヨドバシカメラ前は「ルイーダの酒場」と呼ばれ、すれ違い通信のための場所としてにぎわいを見せていた。アニメがきっかけで注目されるようになったAR（拡張現実）も、この部類に入るだろう。セカイカメラの今後はわからないけど、うまくすればこれも今後の展開が見込めるのではないかと思う。</p>
<p>ふたつ目は、都市－郊外－農村といった「開発程度」の差の序列が組み替えられていく動きだ。低開発な地域にそびえ立つ広域型ショッピングセンターには、ビジネス的にも、そして最近では思想界隈でも注目が集まっているが、むしろ今年目立ったのは、都心部に向かって「郊外的なもの」が逆流するという現象だ。東京一のおしゃれタウンだった銀座には、グローバリゼーションを背景に世界中のファストファッションブランドが進出し、連日の行列だった。原宿のForever21や渋谷のH&amp;Mもしかり。だが、そんな渋谷H&amp;Mの向かいにはドンキホーテ、すぐ裏手にはブックオフ、少し駅に戻るとヤマダ電機が都市型店舗として展開しているLABIがある。</p>
<p>大阪の街を歩いていて思うのは、個性的なファサードの建物が多いなということなのだが、それはたまたま建て替えの時期が早かったということなのだろう。しかし近年の東京の再・再開発においては、一目見ただけでわかるランドマーク的な建築と、何の変哲もない郊外的な店舗が並んで「空き地」を埋めている。そして、都市に郊外が逆流する一方で、都市から撤退し、郊外や田舎で暮らすことを目指す人たちがいる。田舎暮らしそのものは今に始まったことではないが、(a)都会の喧噪を離れて「本来の自分」を取り戻す、というこれまでの傾向に加え、(b)自己承認を求めて地域コミュニティに参加する、(c)コミュニティビジネスの伸びしろを求めて移住するという例が目についた。いずれの場合においても、情報インフラ込みの田舎暮らしが求められているあたりは興味深いと思ったのだが。</p>
<p>みっつ目は、体を使って何かをすることで、リアル空間に関わっていこうとするもの。たとえばランニングや自転車のブームは、それ自体「健康志向」の表れだと見なされがちだが、ビリーズブートキャンプやWiiのようなインドア志向ではなく、リアル空間の中で「ご近所との挨拶」や「地域の再発見」が付随したアウトドア志向のようにも見える。とかいうと代理店が喜びそうだ。そのほかにも、週末農業とか住宅のリノベーションとかがふたつ目の方向と重なりつつ「自分の身体やリアル空間を自分の手で造る」動きは盛んになるだろう。</p>
<p>これらの動きは、いずれも「情報環境が整った後で、現実空間にどう関わるか？」という問いに対する応答と考えると興味深い。ARなんかはもちろん情報による空間の上書きだが、地域を人が移動していく際に、街ベースではなく人ベースで都市の意味が編成されていくとか、ランニングの記録をPCで管理するとか、いわゆる「コミュニケーション」目的だけではない「環境としての情報」のあり方が見えてきているのかな、と思う。そのあたりを構想できるかどうか、技術屋さんたちはどう思っているのだろうね。</p>
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		<title>ミネラルウォーター・イノセンス</title>
		<link>http://blog.szk.cc/2009/12/11/mineral-water-innocence/</link>
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		<pubDate>Fri, 11 Dec 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[消費社会]]></category>
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		<description><![CDATA[どんな商業空間でも、日曜日の午後に歩かないことには、その場所が持つほんとうの意味は分からない。もちろんサービス産業が発達すれば、必然的に土日が休みの人ばかりではなくなるのだけど、ファミリー層、特に小学校低学年以下の子供を [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>どんな商業空間でも、日曜日の午後に歩かないことには、その場所が持つほんとうの意味は分からない。もちろんサービス産業が発達すれば、必然的に土日が休みの人ばかりではなくなるのだけど、ファミリー層、特に小学校低学年以下の子供を持つ家族にとって、週末はいまでも大事な「家族との時間」なのだ。</p>
<p>消費空間を歩くときに大事なことは、その空間の典型的な消費者を演じようと務めることだ。もちろん僕が10代後半の女子の気持ちでお台場を歩くことなんかできっこないのだけど、極端な振れ幅でなければ、典型的な人、というかその空間を歩く人のペルソナは割と簡単に想定できるし、逆にその想像力がなければ、単なる「感想」止まりのことしか分からないだろう。</p>
<p><span id="more-693"></span></p>
<p>そんなわけで、国際展示場駅を出て、パレットタウンやビーナスフォート、フジテレビ方向へと歩きまわったらすっかり疲れてしまったのだけど、よく晴れた冬の日だったこともあって、どこに行っても人で賑わっていた。目立つのは家族連れと、30～40代くらいだと思われる、ミドル世代のカップル。スターバックスのオープンテラスでコーヒーとか。昔、寒くても根性で生足を出すと豪語していた東北の女子高生を思い出した。</p>
<p><img style="border-bottom: 0px; border-left: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-top: 0px; margin-right: auto; border-right: 0px" title="091211-01" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/12/09121101.jpg" border="0" alt="091211-01" width="470" height="358" /></p>
<p>何度か見たことはあったはずなのだけど、意識して自由の女神の辺りを歩いてみると、なるほどよくできているなと思う。女神像の向こうにはレインボーブリッジ、そして東京タワー。この一直線を見渡せる位置にフジテレビ社屋が立っている。端から計算してロケーションしたのか、ロケーションに後付で意味を持たせるためにドラマ（『踊る』シリーズや『With Love』など）を展開したのかは、もはやどうでもいい。重要なのは、この「全部入り」感が成功してしまったことなのだ。</p>
<p>なにせ、自由の女神の来歴からしてすごい。「日本におけるフランス年」ということで、98年から99年までは、パリにある自由の女神が飾られていたはずの台座には、いま、パリの女神のレプリカが立っている。ここを訪れる人にとって必要なのは、そこに自由の女神が立っていることで、それが「ほんもの」かどうかは問われていない。というかそもそもパリの自由の女神こそが、アメリカの自由の女神のレプリカであるわけで、もはや僕らが経験できるのは、シミュラークルのシミュラークル、模倣の模倣に過ぎないのだ。</p>
<p>そう思うと、レインボーブリッジまで、なんだかゴールデンゲートブリッジのパチモンみたいに見えてくるから不思議だ。きっとここにあるのは、現実に根ざすことで「ほんもの」が持ってしまう様々なノイズを捨象した、より「ほんものらしい」ほんものなのだと思う。哲学的には、現実ではないが現実の持つ本質的な要素を抽出したものを「バーチャル」であると定義する。バーチャル・リアリティとしてのお台場は、そこにやってくる人びとすらも、ほんもの「のような」存在に変えてしまうのだ。</p>
<p>ミネラルウォーターみたいだな、と思う。天然水、という商品は、もちろん水道水とは違うという点で付加価値を持つのだが、しかし本当に「汲んできたままの水」として商品になることはない。ボトリングされる過程でその水は様々に「加工」されているはずなのだ。でもそうやって商品になったモノを僕らは「天然もの」だと見なしている。その無垢さ（イノセンス）こそが、再魔術化の果てに人が辿り着く場所なのかもしれない。</p>
<p><img style="border-bottom: 0px; border-left: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-top: 0px; margin-right: auto; border-right: 0px" title="091211-02" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/12/09121102.jpg" border="0" alt="091211-02" width="470" height="358" /></p>
<p>そこからさらに豊洲に移動。ゆりかもめからららぽーと豊洲が見えたとき、あっ、と思った。建物が、環境の中にとけ込みながら、まるで長年放置された廃墟のようにたたずんでいる。好きだな、と直感的に思った。駅を降り、どうやらこの辺りがURと民間の協力で近年整備された場所であることを確認し、現場に近づいていった。</p>
<p>水辺には公園があって、たくさんの子どもたちが遊んでいる。芝生の上を人が踏みならすと、そこは青々とした緑色ではなく、土と混じり合った茶色になる。ららぽーとのファサードは、その人に踏みならされた地面からの延長のようになっていて、最初に感じた「とけ込んでいる感」は、ここから来ていたのだな、と気付く。</p>
<p>案内を見ると、そこはサウスポートと呼ばれる建物で、ららぽーと全体では、かつてドックだったこの周辺の歴史を活かして、舟形の構造物を取り囲むように商業施設が配置され、海に面したドック側が中庭のようになっている。そちら側に回り込んでみるとまたがらりと印象の違う空間。建築のことは何一つ分からない僕だけど、ああ、その筋の人の評判は良さそうだなと感じた。</p>
<p>お台場のシミュラークル性が、徹底した「それっぽさ」によって保たれているとするなら、ここにあるのは、「快適さ」のシミュレーションだろう。たしかに歴史はあるのかもしれない。けれどもこの空間は、それよりも、上述のような設計によって「快適」とはなんであるかを事後的に構成しようとしている、と思った。お台場がいわば顕示的消費の延長線上に「お台場に来た人らしく振舞うこと」を求める空間だとすれば、ここでは「自分はこういう空間を望んでいたのだ」と、あらかじめその欲望があったかのように人を振舞わせる空間なのだ。人はそこで、空間が求める演技をするのではなく、「自分らしく」振舞うことで結果的に空間の設計意図を裏書きするのである。</p>
<p>ミネラルウォーターのような無垢さではなく、「つくりもの」の上に生まれる無垢さ。それがどうやって生まれたのか、少し真面目に考えなきゃな、と思う。こういう直感に頼るのはほんとうはよくないことなのだけれど、そのくらいインスピレーションを刺激される街歩きだったのだ。</p>
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		<title>ABCからCCCへ</title>
		<link>http://blog.szk.cc/2009/12/04/from-abc-to-ccc/</link>
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		<pubDate>Fri, 04 Dec 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[消費社会]]></category>
		<category><![CDATA[経済]]></category>
		<category><![CDATA[郊外]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[最近Twitter上で思想地図周辺の人たちのつぶやきを見ていると「アーキテクチャ派」と「コンテンツ派」という用語が飛び交っている。その意味するところが僕にはまだ分からないのだけど、どうやら前者の代表が濱野君で後者の代表が [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>最近Twitter上で思想地図周辺の人たちのつぶやきを見ていると「アーキテクチャ派」と「コンテンツ派」という用語が飛び交っている。その意味するところが僕にはまだ分からないのだけど、どうやら前者の代表が濱野君で後者の代表が宇野君らしい、と分かって、ああ、これは「派閥」というよりは「ヘーゲル右派」と「ヘーゲル左派」みたいなものね、と思った。で、略称として「A派」と「C派」なんて言葉も出てきて、じゃあ「B派」って何よ、というところまで考えて思い出したのが、Lifeでも何度か話題にした「ABCからCCCへ」というフレーズだった。</p>
<p><span id="more-685"></span></p>
<p>このフレーズは、言葉通りには「青山ブックセンターから、TSUTAYAの営業母体であるカルチュア・コンビニエンス・クラブへ」ということで、文化的なものの存在感の中心がシフトしていることを表現している。もちろんただの語呂合わせで、何か根拠がある話じゃないのだけど、悪乗りついでに考えてみると、この符丁は色々と面白いところがある。</p>
<p>ABCのA＝青山は、東京の「おしゃれな街」の代名詞だった。少し地域を広げて言えば、青山・表参道・原宿周辺というのが、昭和40年代頃から始まる紙媒体を中心とした文化の発信源だった。最近、この頃のクリエイターたちが自分の中でマイブームなのだけど、ともあれ最初の10年くらいはとても活気に溢れていたこの文化も、「東京の輝き」とともに過去のものになりつつある。</p>
<p>B＝書籍は、紙媒体が文化の中心だった頃、まさに花形の文化だった。単著作を頂点とするピラミッドがあり、雑誌誌面をたくさんのライターが飾っていた。けど、出版産業は90年代の後半から一貫して低落傾向にあり、広告費の総額で言えば、とうとうインターネットに追い抜かれてしまった。出版社を志望する文系学生はいまでも多いけれど、書き手になろうという人は少ない。</p>
<p>C＝センター。この言葉は、色んな意味で「ネット以前的」な響きを持っている。中央集権という意味合いもあるし、何かを集約していることという意味もある。「ここに来れば何かが集められている」というのは、モノが物理的な空間に配置されることで価値を帯びるという、リアル店舗のもっとも重要な要素を体現する出来事なのだが、逆の見方をすれば「これはここにしかない」という形で、モノの流れに限界を作ることでしか、その付加価値性は生まれないということだ。</p>
<p>要するに「ABC」とは「東京・に・文化・を・集約する」という意味なのだ。それに対する「CCC」は、地域の面から見ても、文化の面から見ても、ABC的なものを脱構築（笑）する。</p>
<p>CCC的な「C」すなわち「カルチャー」とは、まずもって文化産業の担い手となる「コンテンツ」の総体のことである。書籍だけではない。というかTSUTAYAで書籍コーナーを持っているところの方が少ないだろう。映画と音楽は、より感覚的、直接的な形で僕たちの中に入り込んでくるし、景気の悪い時代には、もっとも手軽な余暇活動の友になる。</p>
<p>二番目の「C」とは、そのまま「コンビニエンス・ストア」だ。コンビニはいまや単に「24時間開いている弁当屋」ではない。そもそも紙媒体がもっとも消費者にリーチしている現場は、書店ではなくてコンビニだし、店内の情報端末を使えば、コンサートや演劇、美術展などのチケットも購入できる。店内放送では最新ヒット曲が新商品の広告の合間に紹介され、廉価版のDVDや新作ゲームの予約だって受け付けている。そして文化産業は、コンビニとの「タイアップ」を通じて消費者に対して大規模プロモーションを展開するのである。</p>
<p>三番目の「C」、クラブ。この言葉には、ふたつの意味を読み込むことができるだろう。ひとつは、「センター」に対応する場としての「クラブ」。つまり、すべてを集約しているのではなくて、単に同好の士が集まる場所で、複数あり得るということ。そしてもうひとつは、「盛り場」としてのクラブという意味だ。むろん後者のクラブを、グローバルな繋がりをもつ東京の大箱としてイメージすることもできようが、それはクラブシーンの全体などでは決してない。mixiで企画されるJ-POPイベントのようなものまで含めて、それはいまやドメスティックで、ローカルなものなのである（ジモト大好き系・親に感謝系のラップやレゲエなんかも、そこに入るだろう）。</p>
<p>ABCに対するCCCは、ABCのように「なにをどうする」と表現できない。雑多な文化が日本中にばらまかれており、それは一方でインフラとしてフラット化しながら、他方でそこに強烈なローカル性（ジモト意識）を生んでもいる。東京から地方へ、書物から音と映像へ、集約から分散へ。そして何より重要なのは、それが「象徴資本から経済資本へ」という変化を引き起こしているということだ。</p>
<p>ブルデュー的な意味での象徴資本の議論は、ある面では「分かる奴には分かる」式の文化を、単なる内輪というだけでなく、階級として再生産されるものとして糾弾するという性格を有していた。対してCCC的な「文化＝コンテンツ」は、少なくともそういう「敷居の高さ」を売りにはしない。文化産業である以上それは当たり前のことなのだが、同時にその「産業」は非常にコストのかからないものだったり、あるいは「持ち家を買う」「車を買う」といった消費行動の代替だと考えれば、十分に「安価」なものだったりしている。</p>
<p>すなわちCCCは、二重の意味で「文化左翼」に踏み絵を迫るわけだ。文化のジモト化を「右傾化・保守化」の現れと見なすべきか（政治的踏み絵）。象徴資本を背景にした階級による疎外を無視し、経済資本による疎外だけを批判することができるのか（経済的踏み絵）。最近の郊外論を、こういうカルスタ的文脈から読み直すという試みもアリな気がするのだけど、そういう人って結局、A派なのかな、C派なのかな。まあ、所詮はダジャレなので気になるなら誰かが考えてみればいい。</p>
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		<title>〈ほんもの〉を捏造する</title>
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		<pubDate>Mon, 09 Nov 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[思考]]></category>
		<category><![CDATA[繋がり]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[昨日は、仕事の予定が思ったより進んだ（というか〆切が延びた）ので、行けるかどうか微妙だった「Architecture After 1995」のシンポジウム、「『2000年以後』を考える」を見に行ってきた。パネリストは五十 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>昨日は、仕事の予定が思ったより進んだ（というか〆切が延びた）ので、行けるかどうか微妙だった「Architecture After 1995」のシンポジウム、「『2000年以後』を考える」を見に行ってきた。パネリストは五十嵐太郎氏。氏が関わった2000年の展覧会「空間から状況へ」と今回の展覧会を比較しつつ、10年前と何が変わったのか、何が引き継がれたのかについて、出展した建築家たちを交えつつ振り返るという構成。『思想地図vol.3』の巻頭座談会「アーキテクチャと思考の場所」が、1999年の『批評空間』誌上における「いま批評の場所はどこにあるのか」へのアンサーになっていたことと、おそらくパラレルに企図されたものだろう。シンポジウムの中身というより、出展されていた方々のアティテュードについては個人的な問いが残ったが、それは会場でも言ったとおり「保留」としたので、押しかけでコメントした部分だけ、あらためてまとめておきたい。</p>
<p><span id="more-662"></span></p>
<p>シンポジウムを聞きながらひとつはっきり分かったのは、藤村君が「プロセス」にこだわることの意味と、00年代の風景とのリンケージだ。00年代とは、いかなる時代だったのか？様々なリソースを引用し、あらゆる角度から語ることができるだろうけど、最大公約数的な要素として「繋がり」を挙げることに反対する人はいないだろう。僕が「ネタ的コミュニケーション」（02年）と言い、北田暁大さんが「繋がりの社会性」（05年）と呼んだ、コミュニケーションの内実ではなく、接続されていることそのものが目的であるような「コンサマトリーな繋がり」が、ネットやケータイを通じて前景化し、バーチャル世界ではなく、現実世界の方を志向（大規模オフ会！）した時期だった、と。</p>
<p>社会批評の文脈では、そうした傾向を頭から否定せずにどう向き合うか、ということを語る人が（僕を含め）多かったけれど、一般的なレベルでも、「繋がれて、嬉しい」という文言は、通信関係のみならず、年賀状の広告や、流行歌の歌詞にまで登場し、誰も意識しないうちに、僕たちの関係性のモードを表現するスタンダードな言葉になってしまった。その意味で、「00年代は繋がりの時代だった」と言う人もいるだろう。が、僕の考えでは、それはまったくの間違いだ。</p>
<p>「繋がる」という言葉には、「分断されていたものが接続される」ということが含意されている。たとえば、離ればなれになっている家族や恋人も、電話があれば繋がれて、嬉しいね、といった具合に。しかし、そこで人はこういう疑問を抱くべきではないのか。そんなにしじゅう繋がっていたいなら、一緒に住んで、24時間ともに過ごせばいいじゃないか、と。なのになぜ、わざわざ電話でなければ繋がれないような関係にとどまっているのか？</p>
<p>おそらく、考え方が逆なのだ。こうした言説は、「繋がれて、嬉しい」という「結果」を導くために、あらかじめ「断絶」を滑り込ませたものなのだ。そしてその「断絶」は所与のものとされ、「解決」のためには「繋がり」を可能にする手段（たとえばメディア）を持たなければならない、とされたのである。00年代とは、この「繋がり」の可能性を「発見」するために、様々なところで既存の関係が無意識のうちに「分断」された時代だったのじゃないか。建築に関して僕はからきしの素人だけど、ある建築に対して何らかの「意味」を付与しようとするとき、なぜかそこに「無意識のうちの断絶」が入り込んできてしまう、そういう風潮ってあったのかもしれない。あれとこれが繋がると、ほら街が賑わいますね、と。でもそこでは、以前の街が本当に賑わっていなかったかどうかが、きれいに無視されるか、忘却されているのである。</p>
<p><img style="border-bottom: 0px; border-left: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-top: 0px; margin-right: auto; border-right: 0px" title="091109-01" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/11/09110901.png" border="0" alt="091109-01" width="470" height="450" /></p>
<p>そこで持ち込まれた断絶が、メディアなどによって再び補完されていれば、それはまあ商売の理屈でしょうがないね、ということになるのかもしれない。けど、上の図の通り、その「繋がり」は、あくまで選択的なものであり、「繋がれる」ということが可能性として開示された結果、「繋がれない」部分も生まれてしまうのだ。ちょうど、自分がアドレス帳に登録されていないことを知った瞬間に、どうでもいい知り合いとの関係に、なにか傷が付いたような感じがしてしまうように、それは「繋がり」の可能性を与えられたことで「欠落」として意識されてしまう。なぜか。僕たちが無意識のうちに、あらかじめ「分断」を持ち込んだからだ。</p>
<p>コミュニケーション手段でも、建築でも構わないけれど、僕たちがそうした「繋がりの結果」だけを確認するとき、そこで「何を分断したのか」という経緯は隠蔽されてしまう。藤村君の「プロセスへのこだわり」は、実は期せずして00年代において僕たちが吐き続けてきた嘘――「繋がらなければならない」が、どのようにして発生したのか、その原因と結果を明らかにするものになっている、と思う。いや藤村君はそんなことないって言うのかもしれない。でもこの数ヶ月、彼の周りで色んな人の「プロセス」を見させてもらって感じるのは、その過程とは「何が足りないかを探し、埋め合わせる」あるいは「埋め合わせた結果、いつのまにか繋がったものを再発見する」という振る舞いの連続なのだ、ということ。そこになにもなくても繋がりはある、ということを意識している展示には、お目にかかったことがないのだ。</p>
<p>じゃあ、この00年代のモードは、10年代にはどう受け継がれるのか？まず考えられるのは、その「分断」は、結局インチキだったのだ、僕たちは、「分断」以前の〈ほんもの〉の繋がりを再構築しなければいけないのだ！という主張だろう。こうしたことを言う学生は、ネットについて教えていればどこの学校でも珍しくないし、石川県の携帯所持禁止条例のようなケースだってある。でもこれ、僕にはあまり意味のない主張に思える。「何かが欠落した不完全な関係性を、現状を変えることで完全な関係性に変換しなければならない」という論理の形式は、何も変わっていないからだ。一方は空間やメディアの設計を、他方は法や規範（教育）の設計を呼び出しているに過ぎない。</p>
<p>そもそも、その関係が〈ほんもの〉かどうかなんて、時間的な前後関係で変わるはずだ。昭和30年代にはあったとか、おばあちゃんの頃にはあったとか、それは歴史的な事実かもしれない。けれどそれを経験していない今の10代が「あの頃の懐かしい関係を取り戻そう」とか言い出したらそりゃダウトだろう。「ほんとうらしさ」はいつもそうやって捏造される（捏造という言葉が強すぎるなら、『構築される』という用語もあるが、これは別の意味で負荷が高すぎる。一番マシなのは『再帰的に選択される』だが、それが指すところを理解できる人はごく少数だ）。</p>
<p>むろん、だからといっていけないというわけじゃない。「メディアで繋がれて、嬉しいね」から「〈ほんとう〉の繋がりが取り戻せて、嬉しいね」に変わるだけだとしても、そこで描かれる具体的な「繋がり」は、00年代とは随分違った風景になるだろう。それでも僕は、そうした〈ほんとう〉を取り戻す／捏造するという方向の外に、違った想像力が期待できないかな、と思っている。というのも、そこで取り戻された〈ほんとう〉は、結局のところ、想定された〈ほんとう〉とは異なる、いびつな形をしているはずだからだ。</p>
<p><img style="border-bottom: 0px; border-left: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-top: 0px; margin-right: auto; border-right: 0px" title="091109-02" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/11/09110902.png" border="0" alt="091109-02" width="470" height="450" /></p>
<p>分断されたものをつなぎ合わせて〈ほんとう〉を取り戻そうというとき、そこではまず間違いなく、メディアによってすら繋がることができなかった要素が、慎重に取り除かれている。その最たるものは、〈ほんとう〉の繋がりの全体性を取り戻そうとする動きに対して消極的だったり否定的だったりする要素、たとえばみんなで盛り上がる祭りの準備の最中に、「これやって何の意味があんの？」とか自問自答しちゃってる「空気の読めない」奴らだ。たいてい僕らは（たぶん僕だって）そういう空気の読めない人を無言で排除しながら、彼を除いた集団の総体を「全体」と捉え、「みんなで準備盛り上がれてよかったね！」とか言ったりする。しかし、上の図でいえば、誰もが元あった丸っこい四角形を取り戻したと錯覚しているけど、その実そこでできあがったのは、あちこちが欠けた、いびつな領域なのだ。</p>
<p>空間の設計ということで考えるならば、〈ほんとう〉の繋がりを取り戻し、利用者に対して、それがどれだけいびつであるかを気付かせず、あたかも「全体性」が回復したかのように錯覚させる空間が、「よい」とされるようになるだろう。けれどもその評価に乗っていけない、いきたくないというのなら、僕は、ある定められた空間の中に「空気の読めない空間」を作るということが必要なんじゃないかと感じている。</p>
<p>なんだか電波な表現だけど、僕は決して「空気の読めない人のための空間」を作れと言っているのじゃない。一度は切り離された「空気の読めない」空間を、あたかもそこにあることが自然であるかのように、再び埋め込むのだ。今回の展示およびプレゼンでいえば垣内光司さんの作品は、とてもそういう意図に満ちたものだったと思う。たぶん彼の話の中では、そういう要素は結果的に抑えられていたけど。そういえばそう思って学校の中を見渡してみると、意外にこの大学にも「空気の読めない空間」はあって、そういう場所には、やっぱりたいてい個性的なたたずまいの学生が集まっている。</p>
<p>どうせ悩むのなら、建築家は建築家しか悩めないことで悩むべきだし、そのために、既に他の誰かが考えていることなら、それは他人の褌で相撲をとりまくればいいのだと思う。何を考えたかの前に、誰の褌を巻いたか、結局はそれが問われるのじゃないか。</p>
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		<title>居場所としてのモール</title>
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		<pubDate>Fri, 30 Oct 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[郊外]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[大学でのシンポジウムの翌日は、テレビ番組の収録のため広島へ。番組のディレクターさんとアナウンサーさんはずっとLifeを聞いてくれていたそうで、つくづくメディア関係の方に聞かれている番組だなと実感。まあ、相変わらずテレビの [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img style="border-right-width: 0px; display: block; float: none; border-top-width: 0px; border-bottom-width: 0px; margin-left: auto; border-left-width: 0px; margin-right: auto" title="091030" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/10/091030.jpg" border="0" alt="091030" width="470" height="273" /></p>
<p>大学でのシンポジウムの翌日は、テレビ番組の収録のため広島へ。番組のディレクターさんとアナウンサーさんはずっとLifeを聞いてくれていたそうで、つくづくメディア関係の方に聞かれている番組だなと実感。まあ、相変わらずテレビの仕事は苦手なのだけど、今回はとてもいい仕事になったと思う。地域活性化がテーマで、色んな取り組みをされている方ともお会いできるし。</p>
<p><span id="more-641"></span></p>
<p>で、せっかく広島まで来たのだから、ということでアウトレットモールにも立ち寄る。広島駅からバスに乗ったのだけれど、広島西飛行場へと続く道は、埋め立て地に入った辺りから道が狭くなって、そこをモール方面へ向かうクルマが埋め尽くす大渋滞。日曜日のお昼から、たくさんの家族連れがモールに押しかけているのだ。</p>
<p>埋め立て地から瀬戸内海を臨む場所に位置するアウトレットモール<a href="http://www.marinahop.com/" target="_blank">「マリーナホップ」</a>は、手元の資料によると開業が2005年、運営主体は日本初のアウトレットモール「リズム」の現在の運営事業者である丹青モールマネージメント。駐車場収容台数は約2600台とかなり規模が大きいのだが、バスから眺める限りほとんど埋まっていたように見えた。ちょうどお昼時で、飲食店はどこも行列。一番並んでいたのがファストフードの王者マクドナルドだったのはちょっとした皮肉だった。</p>
<p>ここでも人を集めているのはミニ遊園地。かわいらしい観覧車と、一瞬にして終わってしまう長さのジェットコースター。こじんまりとしたアミューズメント施設は、それだけを目的にこの場所に来るには決してコストパフォーマンスがいいとは言えない。それなのに、マクドナルドを出た家族連れがまず向かうのはアミューズメントなのだ。</p>
<p>渋滞のせいで時間に余裕がなかったので、全体をざっと見て回ることしかできなかったのだけれど、これほど人が集まっているにもかかわらず、意外に店舗に人が入っていない。地方アウトレットモールの場合、空き店舗もかなりの率で存在するのだが、マリーナホップでは空き店舗に自販機などを置いて休憩コーナーに改装していた。いつ埋まるとも知れない「Coming Soon!」よりはマシな演出だと思うけど、それでもどちらかというとお客さんはモールの「街路」で子どもを遊ばせたり、単にぶらぶらしたりしているようだった。</p>
<p>こうした状態がレギュラーなものなのかどうかは、ちょっと覗いただけの僕には分からない。でも空間として考えたとき、この感じは今まで見てきたモールの中でも随分ユニークだなと思った。成功しているとされるMOP（三井アウトレットパーク）の場合、確かにモールの通路も店舗もにぎわっているし、フードコートや通路のベンチでくつろぐ家族連れを見かけることもある。けれどそれはいわば「買い物中の休憩」なのであって、言い換えれば、非日常体験の中の小休止なのだ。</p>
<p>けれど、このモールでくつろぐ人たちは、どうも僕の印象では、何を買うわけでもないけど居場所感を味わう――消費ではなく実存的な快楽を得る――ためだけにやって来ているような、そんな風に見えた。というか考えてみれば、そちらの方が公共空間としては健全なあり方なのかもしれない。コンビニで何を買うともなく立ち読みして時間を潰したり、大学のキャンパスでだべったり。そこにわざわざクルマ出して来る必要があるのかどうかはともかく、なんとない居心地の良さを感じたのだった。</p>
<p>こういうのは、雨が降っているとか、気温が低いとか、そういうことであっさりと失われてしまう条件であるわけで、たまたまタイミングが良かったのだと思うけど、行楽地なんて昔からそういうものだったのだと思えば、商空間でもあり、公共空間でもあるような、そういう場所のことについて考えるには、いいヒントになったんじゃないかな。</p>
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		<title>設計プロセスと創発特性</title>
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		<pubDate>Fri, 09 Oct 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[昨日は日本建築学会の「建築夜学校」にコメンテーターとして登壇させてもらった。正直、建築の人たちとは最近交流が増えたものの、そもそも予備知識もない完全な門外漢なので、講義を休んでまで出て行く必要があるのか悩んだのだけれど、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>昨日は日本建築学会の「建築夜学校」にコメンテーターとして登壇させてもらった。正直、建築の人たちとは最近交流が増えたものの、そもそも予備知識もない完全な門外漢なので、講義を休んでまで出て行く必要があるのか悩んだのだけれど、こちらが勉強させてもらういい機会にしようと思って出席することにした。というか気がついたらまた挑発しすぎた。反省。翌日の昼には大学に戻っていなければいけなかったので、打ち上げでもほとんど深い話はできなかったけど、とても興味深い会だった。ちゃんと咀嚼した感想はそのうち書くとして、とりあえずは事前に考えていた自分用のメモを公開しておこうと思う。ただし当日話したとおり、一部については報告を聞いて考えを改めてコメントしている。</p>
<p><span id="more-600"></span></p>
<p>ウェブと建築の設計プロセスの類似点、ということがモデレーターのお二人の関心にあって、僕のような人が呼ばれたのだと思う。実は僕自身はウェブでの振る舞いの細かな話にはもうあまりコミットしていなくて、今はどちらかというと消費社会の歴史や郊外について調べているので、その意味であまり適当な人選ではないのかもしれないけど、さしあたり、実際にウェブサイトの構築・運用に関わった立場から、少し考えてみたい。</p>
<p>ウェブと建築は似ているのか？と考えたとき、確かにその制作プロセスには、いくつかの共通点がある。まず、どちらも「発注→要件定義→定義確定→制作→納品→検収→納金」の手順を踏むものであるということ。制作前に綿密な打ち合わせがあって、青写真ができて、できたものをチェックしてもらって、OKが出てようやくお金になる。まあ何でもそうだけどね。だからこうした専門技能を必要とする制作プロセスで常に起こる、クライアントの要求とクリエイターの個性とのバランスが問題になる。全体として、発注前の段階から制作工程を通じて適切な情報共有や円滑なコミュニケーションがなければ、トラブルを抱え込むリスクが増すというわけだ。</p>
<p>もちろん相違点もある。事前に確認しとけって話なんだけど、ウェブサイトの場合、どうしても公開後の改修、修正、アップデートの要求というものがつきまとう。自前で更新できるシステムまで用意する場合もあるけど、昔はそういうのがあまりなくて、また納品先にもそういうスキルがなくて、やたらと苦労した思い出がある。いまではウェブサイトも作って投げっぱなしってわけにはいかないから、こうしたリリース後のマネージメントをどうするか、そこまで考えなきゃいけない。打ち合わせで藤村君と話をしていて、最近は建築もそうらしいことが分かったのだけど、ウェブの場合、究極的にはマネジメントに主眼を置いて「ベータ版でリリース」っていうこともアリなわけだ。</p>
<p>さて、ずっとウェブ、ウェブって言ってきたのだけど、実は上記のプロセス、むしろ共通点の部分に注目すれば、これはウェブ構築よりもソフトウェア開発のプロセス、それもB2B向けのそれに近いのではないかと思う。ソフトウェアの場合も改修やカスタマイズの要求はあるけれど、それだって必要な人月を算定してきちんとコスト化し、追加受注という形にできる。まあ実際には営業さんとの折衝の結果、アレがコレしたりナニがソレしたりするのだけど。</p>
<p>で、こうしたプロセスの中で、設計というか開発の際に重要になるのが、コードのバージョン管理だ。別にコードに限らなくて、仕様書にも常に日付が入るし、ソースコードには、CVSのようなバージョン管理システムがあって、コードもリポジトリに蓄積されている。「履歴の残る設計プロセス」としては、ウェブというよりソフトウェア開発の方が、建築設計プロセスに対するインプリケーションは深いんじゃないだろうかと思う。</p>
<p>じゃあ、ウェブの世界に、ソフトウェア開発と異なるインプリケーションを提供できる要素はあるか？と考えたとき、ひとつ特徴的なのは、ウェブの場合、サイトを構築してもユーザーの閲覧環境に依存する度合いが高いので、設計側の意図を「正しく」ユーザーに届けるのが難しいということだ。その代わり、そうしたユーザーに対する依存度の高さゆえ、ウェブの開発者はそもそも自分たちの成果物を、DTPのように決まり切ったデザインを押しつけるのではなく、ユーザーと協働して創りあげていくものだ、と考えがちだったりする。初期のウェブデザインにDTPの人たちが入ってきた頃、彼らに口を酸っぱくして言ってたのはそういうことだった。</p>
<p>こうした独特の設計思想は、ウェブの世界でまま起こる「秩序の創発」を、設計側がある程度制御しうるデザインへと高めていく、近年の傾向に繋がっていると思う。確かに、ウェブの行動特性や文化は創発的で、無理に制御しようとすると「炎上」したり、逆に閑古鳥が鳴く結果になったりする。ウェブの創発性に期待するヘビーユーザーほど、こうしたコントロールには否定的だけど、成功したウェブサービスの全てが「やってみたらたまたま当たった」わけではない。そこではユーザーの行動を細かく把握し、分析し、それに応じて細かく設計をアップデートする、設計側の巧妙な営みがあるはずなのだ。</p>
<p>ソフトウェアとウェブ、ふたつの設計プロセスを、極端に抽象化して図示してみよう。ソフトウェアの場合、コードのバージョン管理は一元的に行われ、プログラマーはリポジトリのコードをチェックインすることで、コードを修正し、修正が終わったらコミットし、チェックアウトする。このとき、コードに対して複数の人間がコミットしていても、最終的にアップデートされるコードはひとつで、その過程はリニアなものだ。場合によってはコードのバージョンが分岐する（フォークする）こともあるらしいけど、少なくとも特別な事情がない限り、プロダクトとしてのソフトウェア開発においては、リニアなコードの修正が行われる。</p>
<p><img style="border-bottom: 0px; border-left: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-top: 0px; margin-right: auto; border-right: 0px" title="091009-1" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/10/0910091.png" border="0" alt="091009-1" width="470" height="340" /></p>
<p>それに対してウェブの場合は、そもそもその特性の現れ方や遷移に、リニアな特徴は見られない。むしろ、個別バラバラに違う意図を持って振る舞う人々の選択が、互いに一定の方向性へと秩序立てられたり、あるいは「流れに沿う振る舞い」と「そうでない振る舞い」の間の線引きが発生したり、そうした秩序や線引きが時間と共に変化したり崩壊したり、そういう動的な特性が生成されるのだ。それを方向付けるのは確かに難しい。でも、無秩序な発言の中から、何がその場の「空気」に合致した発言なのかを判断し、そうしたものから外れた「空気の読めない」発言を意図的に無視する、そういう振る舞いなら、僕らは日々行っているはずだ。ウェブ的なプロセス、というのであれば、むしろこうした点を挙げるべきだと思う。</p>
<p><img style="border-bottom: 0px; border-left: 0px; display: block; float: none; margin-left: auto; border-top: 0px; margin-right: auto; border-right: 0px" title="091009-2" src="http://blog.szk.cc/wp-content/uploads/2009/10/0910092.png" border="0" alt="091009-2" width="470" height="340" /></p>
<p>これは別に、抽象的なモデルの描き方の問題じゃない。「ウェブ的な設計プロセス」に参加するメンバーの資格の問題に大きく関わるのだ。つまり、ソフトウェア的なプロセスであれば、そこに参加できるのは、設計ができる人間、要するにプログラマーとか建築士のみ。広く取っても、そうした事情を理解できる人間だけ、ということになる。しかしウェブ的な設計プロセスを採用するというのなら、そうした知識のない、あるいは設計そのものに反するような人々の振る舞いまでも、プロセスの中に投入する必要があるはずだ。つまりいずれのプロセスを採用するかは、設計に関わる政治的な問題でもあるのだ。</p>
<p>その「政治」をどのように解決するか。見取り図の書き方はたくさんあるけれど、まずは建築の側にいる方々の応答を待って考えたい。さしあたり僕が考えているのは、そうした政治問題を解決する軸として、一方に、パーソンズのパターン変数で言うところの「業績性対帰属性」の軸を、他方に設計者中心か参加者中心か、という二つの軸を設定し、両者の組み合わせで得られるパターンから、最適なものをその都度現場に合わせて選ぶ、というものだ。その話が役に立つかどうかも含めて、まずは討議に投げ返したい。</p>
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		<title>カネと人の輪</title>
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		<pubDate>Fri, 11 Sep 2009 14:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[思考]]></category>
		<category><![CDATA[消費社会]]></category>
		<category><![CDATA[繋がり]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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		<description><![CDATA[8月の調査のことを思い出していた。無理矢理スケジュールを作って有明に行ったら、デジカメを落として午前中に行った調査のデータがフイになった嫌な記憶が甦る。ともあれお盆のせいもあって、なんか街中が浮き足立っているようにも思え [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>8月の調査のことを思い出していた。無理矢理スケジュールを作って有明に行ったら、デジカメを落として午前中に行った調査のデータがフイになった嫌な記憶が甦る。ともあれお盆のせいもあって、なんか街中が浮き足立っているようにも思えた。こういうざわついた空間を、ぼんやりと一人で歩くのは嫌いじゃない。同じ都市空間でも、東京と大阪では、やっぱり人と人との距離が違うなあと思う。東京の人は、あれだけ密集していても、どこか他者に対するパーソナル・スペースを意識していて、あまり人とぶつかることがないし、急いでいれば必ずどこかの隙間を塗って前に出られるのだ。</p>
<p><span id="more-550"></span></p>
<p>それを「個人が砂粒のようにばらばらに生きる空間」と表現することはできる。たぶん、他人に対する距離感は、どちらもそんなに変わらないのだろうけど、関西の方が多少「壁が薄い」感じはある。相手のところまで踏み込んでいくタイミングの早さ、とでも言おうか。僕は元々そういうのが苦手で、特に、踏み込まれることよりも、踏み込まれたことに対する応答として、その相手に対して何らかの関心を示さなければならないことが辛いことが多いのだけど、そういうことに気付かなくてもいいくらい、砂粒のような関係が「発達」しているのがこの場所の特徴なのかもしれない。</p>
<p>カネか人の輪か、という選択がある。何か困ったことがあったときに、ソーシャル・キャピタル（社会関係資本――というか「コネ」や「ツテ」）を利用するか、市場化された商品・サービスを購入するか、ということだ。この場合の「人の輪」は、もちろん地縁や血縁だけに限らなくて、出身地が同じだとか、同じSNSのコミュに属しているとか、公共空間における私的・公的な繋がりだって含む。近代の都市において市場が発達したのは、そこにやってくる人々が生まれながらにして持っていた人の輪を離れ、新しい輪を形成することを期待していたからだ、と思う。身寄りのない人々にとっては、誰かと出会い、新しい家族や仲間を形成するまでの間は、市場化されたサービスこそが生命線なのだ。</p>
<p>世界中の社会科学系の研究者が「人の輪」の方に注目しているのが、この十年くらいの動向だと思う。その理由は、社会哲学系の倫理的な議論を踏まえつつ、そこそこ実証的な成果が期待でき、現場が多岐にわたるので研究者どうしの市場の食い合いが起きにくい、という身も蓋もない理由を除けば、サービスの市場化がある程度進み、そこで必要なモノを購入できる環境が整ってきたからじゃないか、という気がしている。海外の場合はそれぞれ事情が大きく異なるだろうけれど、特に日本ではどうも、Business TiesをBridgeするところの話は「がっついて」見えるらしく、文字通り「人の輪」――つまり市場で購入できない関係――の方に比重が寄っているように見える。パーソンズのパターン変数で言えば、業績主義より属性主義の方が注目されているというか。いや門外漢の勝手な感想ですけれども。</p>
<p>あるエリアがどちらかに偏っているということはなくて、もちろんどちらの要素も含まれているのだろうけれど、何かの実績を上げるのに使えるのが、業績主義的な資本（相手が何をできる人か）か属性主義的な資本（相手がどんな人か）か、という違いはあると思う。隣の人間の属性が不明な流動性の高い都市では、相手の言ってることを信用するためのリソースは、まずもって業績になるけれど、付き合いが深まって流動性が下がったり、そもそも流動性の低い繋がりがハブの周辺に確保されていたりすると、最初に属性を明らかにした上でなければ、その輪の中での信用を得られない。</p>
<p>どちらのやり方にも一長一短あって、業績主義が強い場所では、流動性も高いので、山師のようなうさんくさい連中も、一攫千金を夢見て集まってくる。だからこそ余計「業績」の方を見なきゃいけなくなるのだけど、最終的なスクリーニングは、属性主義的な原則に沿って行われることになりがちだ。簡単に言うと、最初は調子のいい奴を集めて広がっていった輪が、だんだん内輪化して、閉鎖的になるということ。一方、そうやって属性主義的に集まった輪も、閉鎖的になってしまうという欠点があるけれど、他方でそれまでの業績を無視した、あるいは採算を度外視したプロジェクトを動かす力を生むこともある。つまり、相手がある程度知っている間柄だからこそ「よっしゃ、お前がそう言うんなら、面白いからいっちょやってみようか」という冒険ができるということだ。</p>
<p>東京で、ベンチャーで、一攫千金だった時代の渦の中にいた僕にとって、業績主義が立ち上がってくる瞬間のパワーは面白かったけど、しょーもねーなーとも感じていた。思ったよりも業績のある奴が集まってこなくて、うさんくさいのをスクリーニングするだけで疲れちゃうからっていうのもある。どちらかというと上の世代のギラギラした感じにうんざりしていた僕らは、彼らのパワーに惹きつけられて集まりつつ、そこで生まれた同世代の繋がりに、属性主義的な「人の輪」を見出していった。その心地の良さは、どんな土地にもあったものだと思うけれど、そのサイクルが何周かして既に「人の輪」が生まれた状態で、活動拠点を移したのが、最初のズレになっているのかな、という気がしてきた。今更属性を明かした上でお友達になりましょう、でもないだろうと。それに僕は、別にギラギラはしてないけれど、変化させることを諦めた覚えはないし。</p>
<p>マレビトで、よそ者（マージナル・マン）で、トリックスターで。そういう存在が安定した「人の輪」をかき乱すことで、人類社会の深みは形成されてきた。境界線上の人たちばかりの社会でマージナルで居続けることは容易いけれど、それは何も変えたことにはならないのだろうな、と思うようになってきている。</p>
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		<title>連れだって歩く生活</title>
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		<pubDate>Fri, 04 Sep 2009 14:00:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>charlie</dc:creator>
				<category><![CDATA[雑記]]></category>
		<category><![CDATA[思考]]></category>
		<category><![CDATA[繋がり]]></category>
		<category><![CDATA[都市]]></category>

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			<content:encoded><![CDATA[<p>8月は、なんだかんだで月の3分の1は家を空けていた。会議のために東京に行くと言えば、じゃあついでにとあちらからもこちらからも取材だの打ち合わせだのの依頼が来る。彼らにとっては、相手は自分の都合に合わせてやってくるものなのだろうし、それに合わせられなければ、「ご縁がなかった」で済まされるものなのだ。もちろんそうなることを見越して、昨年のうちからかなりの仕事を若い後輩たちに振ったり、引き継げないものは終了したりしてはいたのだけど、それでも残る仕事はいくつかある。おうちに引っ込んで穏やかな日々の生活を送るなんていうのは、どうやっても性に合わないらしい。</p>
<p> <span id="more-545"></span>就職して一番困ったのは、「休まなければいけない」ということだった。大学の周辺は19時過ぎには人っ子一人出歩かなくなるし、ほとんど全ての資料を研究室に置いてしまったので、休日出勤しない限り週末は絶対休みになる。大学教員は忙しい、というし、実際これからどんどんそうなるのだろうけれど、基本的にフリーランスで仕事をしてきたこの数年より忙しくなるってことは、物理的に不可能なのだ。
</p>
<p>そうやって多少の余暇ができると、たちまち強いアイデンティティ・クライシスがやってくる。最初のうちはひたすらゲームしたり作曲したりしていたのだけど、そのうち自分のレベルが落ちていく恐怖に襲われて、家でもできる勉強を始めた。あれ、僕ってこんなに向上心強い方だったかな、と驚くくらい。</p>
<p>たとえば19時に仕事を終えて、同僚と「今日どこか寄ってく？」なんて話をして、仕事の愚痴とか話したり、部長とあの子が不倫してるらしいよ、なんて話で盛り上がれたりする人生は素敵だと思う。ベンチャーで働いていた頃、すごく居心地の良かった会社は、そういうことができる仲間に恵まれていた。僕たちはまだみんな20代の半ばで、オールして出社したってなんとかなるくらいの体力はあったのだ。</p>
<p>でもその頃の僕は同時に大学院に通っていて、学費を稼がなきゃならない身分だったし、最初の本が出てからは「あの、来週アメリカ大使館で講演しなきゃならないんですけど、お休みいただいていいすか」ってのをボス（同い年だけど）に申請したりとか、そんな状態でもあった。鍵を持ってない身分だったから、基本的に残業はできなかったけど、仕事帰りのささやかな楽しみで疲れを癒す、なんて生活は、金銭的にも時間的にも不可能だった。バイト先の会社に勤めていた女の子と付き合うことになったけど、お財布のレベルが合わなくて結局別れてしまった。</p>
<p>そうした生き方ができなかった悔しさやもどかしさが、人の何倍も仕事して、人より大きな結果を出す、という自分の行動スタイルに反映されている、と思う。有り体に言えばルサンチマンだ。だから、突然「休み時間」っていうものを与えられても、何をしていいのか分からない。仕事帰りの一杯で疲れを癒す？その一杯はむしろ疲労を残すし、それだけの体力があって、なんでそれをお酒で流さないといけないのか、僕には理解できないのだ。</p>
<p>東京という街は、そういう一匹狼に、とても優しい。狼だって寂しいときはある、けれど、毎日群れていられるほど暇じゃないんだ、しなきゃいけないことたくさんあるし、っていう僕らには、普段はネットで近況を共有して、たまに休みが合うときに集まってわいわいやる仲間がいるっていうのがとても居心地がよかった。mixiでもtwitterでも、僕にとってネットのソーシャルな繋がりというのは、都合よく居場所を獲得したい、という欲望に応えるためのものだったのかもしれない。</p>
<p>新しい街に越してきて思うのは、この街はほんとうに孤独を許してくれないってことだ。とにかく、ひとりで何かをできる場所というのが見あたらない。多くの人が夜には仕事を終え、「今日はどこに寄ってく？」と声をかけながら、同僚や、小学校からの付き合いの友だちと遊びに行く。関西弁で友だちのことを「連れ」というのはとても象徴的だ、と思う。ここの人たちの友だち付き合いは、連れだってどこかに行くことなのだ。そのためには、みんなで一斉に休まないといけないのだろう。</p>
<p>昔から好きだったけど、最近になって、鈴木いづみのエッセイが本当に心に染みるようになった。好きなものも、敵も、そうと「決めなければならない」、と彼女は書く。テレビCMに出てくるような「本物らしい生活」は、自分には合わないと彼女は書く。「速度が問題なのだ」と彼女は書く。周りを顧みずにがむしゃらに働いて、常に自分の求めるものは何かを考え、自分の敵は誰なのかを考え、そこに向かうために周囲の全てを犠牲にするような生き方は、エネルギーがいるし、とうてい推奨されるべきじゃない。けれど、この街の歴史を調べている間に、東京でも大阪でも、1940年代生まれのオリジネーターたちが、みなそうした生き方を貫いてきたことを知った。僕はそこに向かうべきなのか？</p>
<p>街に迷うより、人に迷う方がずっと面倒だ。東京には行きたい街なんてなかったけど、会いたい人はいた。この街には、行きたい場所が見つかっても、連れ立って歩きたくなる人が見あたらない。いたとしても、誘い出すのにはちょっと気後れする。だったらそういう人が自然と集まってくる方にエネルギーを割いてみるのはどうだろう、という思いと、いや、何をやってもうまくいかない時期は、ただじっと上向くのを待つべし、という経験則との間で、今はぼんやりと揺れ動いている。</p>
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