EP『10 Years』配信開始

楽曲

音楽活動についてのお知らせです。2005年から約15年続けてきた「Deep Breath Project」として発表してきた中から、特にこの10年くらいの間に作った楽曲をピックアップして、各種サブスクリプションサービスで配信することになりました。Spotify、Apple Musicを始め各社のサービスでお聴きいただけます。

10 Years by Deep Breath Project
アルバム • 2021年 • 6曲 • 30分

Deep Breath Projectは、僕が個人的に続けている表現活動のひとつで、最近では「おうちから一歩も出ない音楽活動」なんて言ってますが、仲間とバンドしたりライブで目の前の誰かに聴いてもらうことより、自分が聴きたいと思うような音楽を自分のために創ることを意識して行っています。これまでも自分のスマホで聴けるようにはしていたのですが、昨今、個人の力でも大手サービスに配信できる仕組みが整ってきたことを受けて「せっかく楽曲があるのだから、これはやってみなくちゃ」と思ったのがきっかけです。おそらく永遠に配信し続けることはないと思いますけれど、ご関心の向きにはぜひご一聴を。以下、蛇足のような気もしますけれど、簡単な楽曲解説です。

M-1:「ロストマイワールド」

最初に発表したのは2010年ごろだと思いますけど、自分の番組のイベントで自主制作CDを配布したときのことですね。東京を離れて、新しい環境に対する不満が鬱積していた時期だったこととか、思い出すと辛い記憶も多いのですけれど、そういう感情を「曲」という形で引いた視点に書き換えられたことで、10年経っても聴けるものになっているなと感じます。

音楽的には、Aメロ後半でギターのフィードバックが入ってくるあたり、完全にアジカンを意識してますよね。歌詞の組み方も含めて。ただCメロからピアノのソロの流れはとても好きで、特にCメロの歌詞とメロディは、駅と自宅の間を歩いているときに浮かんだときの情景とかをものすごく強く覚えてます。今回の配信は2012年くらいにリアレンジしたバージョン。

M-2:「モーメント」

2017年にラジオ番組で発表したもの。1番があって、2番があって、ギターソロがあって、Cメロもあって、みたいな複雑な構成じゃなくて、2分半くらいしかないようなストレートなエモを書きたいなと思って作った記憶があります。

ちょうど楽曲制作をCubaseからLogic Proに乗り換えたタイミングで、ドラムはLogicのAIドラマーが勝手に入れ込んでくれたものです。1サビ後のドラムがスネアの頭打ちになってるのも、パラメーターをいじってたら偶然にできたもので、なんか機械と対話しながら「いまのその感じ!」ってなるの、それこそバンドっぽいなと思ったのでした。

M-3:「スケッチ」

2016年に番組で発表した曲。当時はFukaseさんの声を用いたVOCALOIDのライブラリで作成したものでした。なので、音域的にも楽曲の雰囲気的にも、あまり自分には合ってないかもしれないなと思いますけれど、ちょうどHalo at 四畳半とかドラマストアとかをよく聴いていた時期で、歌のメロディが全体を引っ張っていくポップロックを志向していたはずです。

今回、自分で歌うにあたってキーを下げたら、開放弦を前提にアレンジしたクリーントーンのアルペジオがどうしても弾けなくなってチューニングから下げることになったり、逆にこの数年めっちゃ練習したベースの成果を活かそうとしてフレーズを複雑にしたら、結果的にリズム隊全体のグルーブが変わったりと、オリジナルとは随分雰囲気の違う曲になりました。サークルのバンドで難しい曲をコピーさせられたみたいな感じで、出来上がりには満足しています。

M-4:「Starting Over」

2019年に発表した楽曲。最近はiPhoneのボイスメモに曲のフレーズを吹き込んでから組み立てることが多いのですけれど、この曲はサビのフレーズからできたもの。ただそのときとメロディは変わってるんですけど、英語のフレーズで作ってしまったので、全編英語詞で書かないといけなくなったという。

面白いもので、英語で詞を書く前提でメロディやアレンジを考えるようになると、やっぱり言葉の詰まり方や上昇フレーズの入れ方がまったく変わるんですね。アレンジ面ではもっと前衛的な感じを目指していたのですけど、気づけは普通にポップな形に落ち着いていました。今回のEPのためにリミックスしています。

M-5:「ありふれた悲しみ」

新曲。昨年は自粛期間と夏休みを使ってずっと「スケッチ」のベースを練習していて、そのミックスが終わったのが12月頭だったのですけど、同時進行で8月くらいにサビのフレーズができたこの曲のことも気にしていました。どのようなアレンジの仕方もあり得たのですけど、9thの音が混じったコードで複雑に楽器を重ねると聴きづらくなると判断して、きのこ帝国的にシンプルなエモを目指すことにしました。

音楽的にはコーラスが入ったほうがいいと思うんですけど、昨年の、あの自粛期間中、海を見ながらぼーっとしていた時間とか、多くの人が感じた孤立や孤独を表現するには、逆にコーラスはないほうがいいなと思ってやめました。ちなみにアルバムジャケットの海が、まさにそのとき撮影したものですね。1日ですべての楽器を録り終えたのですけど、エンディングのギターを掻き鳴らしているときの高揚感は、まさにエモでした。

M-6:「Can You Hear Me?」

今回の楽曲ではもっとも古いもので、2005年くらいに自主制作した最初のアルバムのラストナンバーがもとになっています。その後、2006年くらいにアレンジやミックスを作り直したバージョンを、今回は収録しました。同じバージョンのカラオケが、ラジオ番組のエンディングテーマとして流れています。なので、曲そのものは15年くらいずっと聴いていただいているんですよね。

歌詞に出てくる「海岸通り」は、初めて神戸に行ったときの記憶からイメージしたものです。自分自身が港町育ちで、ちょっと歩けば海があるという環境を自然に受け止めてきたので、「海岸通り」という町名がある土地って素敵だなと。でも、楽曲そのものは、真冬の、薄暮れた寂しい世界の話ですね。

こうして全曲を振り返ると、やっぱりどの曲もそれなりの思い入れをもって作ってきたし、だからこそ自分でスマホに入れたものを何度も聴き返していたんだなと感じます。普通の人がブログを書いたり写真を撮ったりして自己表現することが許されるなら、その手段が音楽配信になったっていいに決まってる。そういうパーソナルな思いでコンパイルしたEPですが、「なんかいいな」と思った人の中の何かになれば嬉しいです。

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