思考

雑記

行き詰まるセオリー

全部は読み終えてなかったので、いただきもののエントリに入れられなかった稲葉振一郎『社会学入門』を読了。全体としてはまっとうな「社会学」の「入門」で、いわゆる学説史中心の基礎論・原論的なものとは違うけれど、「近代(モダン)」という概念の美学か...
雑記

「近代の変曲点」としての現代(後編)

前編を書いたらもうすっかり後編を書く気が失せてしまったのだけれど、言った以上は書かないといけないわけで、前回の続き。僕が見田さんの議論から抽出した関心とは、現代社会において、(1)近代型核家族システムは曲がり角に来ているか、(2)合理性の外...
雑記

「近代の変曲点」としての現代(前編)

日本では、社会を思想的に把握しようとする人にありがちなこととして、歳を取るほど話のスケールが大きくなって、人類全体、人類史全体を対象にするような「大きな物語」を描こうとするというのがある。そのこと自体は、ヨーロッパ流の、「人類」全体を対象に...
雑記

「特殊だからこそ普遍的」

ネットの流行はサイクルが早くて、ある時期に盛んに論じられていたことがひとたび沈静化してしまうと、とたんに何が論じられていたのかまでも忘れられてしまうことが多い。そして時間がたち、いくつかのテクノロジーが更新され、人が入れ替わったくらいのタイ...
雑記

ふたつの「保守化」現象:雇用とジェンダー

「若者の保守化」は、ここ数年、研究者の間でも話題にされるようになったテーマだ。もちろん、その内容に是非はあるんだけど、少なくともそういう素材を研究テーマとして選ぶことが妥当だと感じられるくらいには、「保守化」は共通了解になっているのだろう。...