4月のいただきもの

今月も色々とご恵投いただきました。ありがとうございます。

編者の藤田真文さん、執筆者の加藤徹郎さんよりいただきました。学部の教科書として利用することを想定した、テレビ番組や雑誌の言説分析を行うための入門書。この種のメディア分析は、卒論のテーマとして選ぶ学生も多い一方、体系だって学ぶ機会も少ないので、とても役に立つ。個人的には大学院で同期だった辻泉君の女子高生を扱った週刊誌記事の分析が本になったのが嬉しいかな。おもしろいんだ、これ。

学校で愛するということ
中森 明夫
角川グループパブリッシング
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中森さんの21年ぶりの小説。まじすか。中身はとっても青春した学校小説。装丁のせいだろうか、第一印象は鴻上さんぽいなと思ったのだけれど、この世代の「学校」や「屋上」のイメージは、たぶん管理教育以後に学校という場所を通過した世代には、皮膚感覚レベルで理解できないんだろうなと思う。学校は管理されていけど放課後は豊かだった僕らや、リア充はリア充、ぼっちはぼっちって棲み分けられた下の世代には、「学校」が共通体験の場だなんて、構築された思い出以外の何者でもないのだ。

談 no.84(2009) (84)
談 no.84(2009) (84)

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たばこ総合研究センター

今回の号では、セキュリティについて芹沢さんが、ウェブのアーキテクチャについて濱野君がそれぞれ語っている。もともとマクロ的に把握することを目的としていたリスクマネジメントのあり方が、〈民主的〉に決定されるようになったことで、セキュリティのあり方が確率論的なものから個人的なものになり、ゼロ・トレランスを要請するという芹沢さんの指摘は、とてもよく分かるなと思った。濱野君のインタビューは、彼の関心の幅の広さをよく表していて面白い。個人的には、アーキテクチャといいつつもついつい見え隠れする日本特殊論をブラックボックスにせずに扱って欲しいのだけれど。

日本の難点 (幻冬舎新書)
宮台 真司
幻冬舎
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幻冬舎の方より頂きました。マル檄で得た知己と知識をフルで活かして、それらは全て師匠がこれまで一貫して論じていたことの枠組みに収まるのだ、という構成のオンパレード。もちろん個別の知識は相変わらず勉強させていただくところ大。ただ、なんだか僕も師匠の批判の俎上に載せられているのだが、そもそもそんなこと言ったこと一度もないんですけど、ってことで怒られていて、一体誰にそんなデマを吹き込まれたのかな、と思った。

去年の11月に立教大学で開催したシンポジウムでの講演と、追加で行った対談をまとめた本。ここに収められた僕の講演を読むと、上の師匠の本に書いてあることとかなり違うことを言っていることが分かると思う。それとは関係なく、本の見所としてはやっぱり橋本さんの超ポジティブな世界観と、なにより最後に収められたチキ君の力の入った解説だと思う。誰が何を言っているかを気にしないと何も話せないくらいアナルの小さい――反比例して威勢だけはいい――議論が横行する中、こういう人たちがロールモデルになればいいのになあと思う。

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