今日最後に手にとったのは『デザインされたギャンブル依存症』。文化人類学者による、ラスヴェガスのマシン・ギャンブリング依存症者を対象にしたインタビュー調査がもとになった本で、現代における依存の問題についての非常に興味深いエスノグラフィーになっているし、何より長期にわたる専門的研究の結果、単なる聞き書きではなく、その背後にある技術やビジネスモデルまで踏まえた上で問題を論じているので、とても厚い記述になっている。
Bitly
たぶん、無限に時間を投入してしまうタイプの依存症が、マシンとの相互作用の中で生み出されるという観点は時間消費という面で見ても重要だし、それがいつから、どのように広がったのかということだけでなく、僕たちの周囲にもカジュアルに見られるということ(3、4秒で決着のつく、偶然性に左右されるゲームといえばガチャが典型だろうし)も踏まえて、「人は何に時間とお金を費やしているのか」を考えるべきなのだろうと思った。